2007年12月31日月曜日

5年前の難所が滝


5年前はこうでした。

凍り始めた難所が滝

 大雪が降るというので、九重に行こうと考えていたが、こちらではほとんど降らなかったし、昨夜頂き物のシャンペンを飲みすぎたのが効いて、寝坊したので、九重は延期した。
 そこで、今年の登り納めは、いつもの三郡山と宝満山にした。
 三郡山(さんぐんさん 935.9m)は、旧筑紫、粕屋、嘉穂の三郡にまたがるところから、そう名付けられたのであろう。三郡山地の中央部に聳える盟主である。やはりこの山頂にも、福岡空港の航空管制レーダーが置かれていて、山頂付近の景観を台無しにしているのはやむを得ないところか。
 昭和の森の駐車場に車を停めて登る。粉雪が舞う寒い天気だ。登山口にはほとんど雪は見られなかったが、林道から沢沿いの道に入っていくとだんだんと積雪が見られるようになる。
 今日のこのコースの目当ては「難所が滝」で、駐車場から1時間程度登れば、凍りついた滝がある。付近は、3センチほどの積雪で、足が滑りやすい。


 今日の滝は、やっと今、凍り始めたというところであった。滝といっても、夏の間は、岸壁からチョロチョロと水が流れ落ちているというところであるが、寒波が来ると、流量が少ないからすぐに凍りつき、いつの間にか巨大な氷の滝ができるというわけである。
 2月初めが一番の見ごろであろうか。その時期になると、毎年、地元の新聞にも報道される。


 滝の凍り具合を確かめてから、さらに上のほうに登ると、宝満山と三郡山の縦走路に出る。縦走路は5センチほどの積雪があった。縦走路を左に35分で三郡山頂である。



 サンドイッチの昼食を5分で、縦走路を宝満山へ。
 宝満山山頂直下の鎖場は、雪で滑りやすい。山頂神社にお参りして、引き返し、仏頂山の手前から「うさぎ道」経由で、昭和の森駐車場に戻る。


(11:53)昭和の森駐車場発、(12:54)難所が滝、 (13:51)三郡山山頂 昼食10分(14:48)宝満山山頂、うさぎ道経由 (15:55)昭和の森駐車場着  

2007年12月30日日曜日

私の好きな交響曲


 前に、未完成交響曲を取り上げたとき、ちょっと書いた交響曲のベスト10、曲名を挙げていなかった。

 モーツァルトの40番、ベートーヴェンの3番、5番、7番、9番、チャイコフスキーの5番、6番、ブラームスの1番、4番、シューベルトの未完成(7番)、それにベルリオーズの幻想交響曲。どの曲にも順位を付けられない。

 明日の大晦日は、毎年、ベートーベンの9番を聴くことにしているので、今夜は、ブラームスの4番を聴いた。

 ワルター指揮のコロンビア交響楽団の演奏は、ゆったりと、しかし、切々と人生晩年の諦観を訴えてくる。特に、第2楽章の美しく澄み切った悲しみは、心に染み入る。音楽の表現は、なんと素晴らしいのだろう。


 年末の天気がいまいちで、山に行きそびれている。明日は、雪が降れば、九重に登りたいな。

2007年12月29日土曜日

トマティートとヴィンセント・アミーゴ


 近頃のフラメンコが気になっていた。

 先日の「アランフェス協奏曲」のパコ・デ・ルシアは、当時、新進気鋭の絶対的ナンバーワンだったが、その後の若手にはどんな弾き手がいるのか。
 ネット等で調べたら、トマティートとヴィンセント・アミーゴの二人がどうもいいらしい。早速、CDを購入した。
 
                     聴いてみて、びっくり。確かに二人ともテクニックはすごい。だが、昔聴いていたフラメンコとは、全くといっていいほど趣が違うようだ。二人とも、もうこれはジャズの領域に近くなっているのではないかと感じられた。サビーカスの演奏が、なんと素朴に聞こえるか。
 もちろんどちらが悪いとかではなく、全く違うジャンルの音楽に聞こえるのだ。
 今日、友人から借りたトマティートのCD「SPAIN」は、ジャズピアニストとの競演で、CDのジャンル区分もジャズになっている。
 やはりフラメンコも時代の中で生き残っていくためには、このような形になっていくのであろうと納得はしている。もちろん、今回購入したCD二枚には、満足しているし、聴いて楽しい。
 だけども、二人にも古い形のフラメンコも弾いて欲しいと思う。すごいテクニックで弾くソレアやシギリーヤスを聴いてみたい。

2007年12月27日木曜日

井上陽水と松山千春

 さきほど民放で井上陽水を中心にした面白い番組をやっていた。
 井上陽水は、私の大好きな歌手で、カラオケでもよく歌うし、iPodにもちゃんと入れて持ち歩いている。
 しかし、今夜の彼の歌を聴いていて、ああ彼も歳をとったなと少し寂しくなった。彼の艶やかな美声がやはり衰えている。
 近頃聴いた、もう一人の大好きな歌手松山千春も高い声が出にくくなったのか、歌い方をかなり変えてきていた。
 二人とも若い頃の録音でいつも聴いているから、その落差が大きくて、なんだか寂しい。
 その歳の声と、刻み込んだ人生に、合った唄を作って歌えばいいのにと思うのだが、フアンはやはりヒット曲を聴きたがるのだろうか。
 歌手は厳しい職業だ。

2007年12月25日火曜日

オスカー・ピーターソン


 ジャズ・ピアニストのオスカー・ピーターソン氏が23日に亡くなったそうだ。今日の夕刊に載っていた。   

 私みたいにジャズに詳しくないリスナーにも、楽しくて解りやすい演奏をしてくれていた。トリオでの演奏は、私にとってジャズそのものだったと言ってもいい。

 私の数少ないジャズ・レコードの一枚が、この「WE GET REQUESTS」、邦訳では「プリーズ・リクエスト」。

 帯に「ベスト録音、ベスト・プレイ、ベスト・セラー」とあるけれど、確かにきれいな録音である。私のちゃちな装置でもとてもいい音がする。

 今夜は、ウィスキーを片手に、レコードをかけて冥福を祈ろう。 

2007年12月24日月曜日

背振山

背振山(せふりさん 1055.2m)
(11:36)椎原林道終点登山口 (12:28)鬼ヶ鼻岩

(12:42)椎原峠 (13:38)背振山山頂

(13:45~14:00)山頂下広場で昼食 (14:45)椎原峠

(15:21)登山口


 背振山は、福岡県の西北部で佐賀県とを分ける背振山地の主峰で、配下に、金山、井原山、雷山、蛤山、九千部山などの名山を従えている。日本山岳会の日本三百名山に挙げられている名山で、登山者も多い。

 我が家の窓からいつも眺めているのだが、山地の中央部にピョコンと突き出ていて、なかなか登頂意欲をそそる形である。 登山道も、今日のコースは、渓流に沿った自然林の中の道で、気持ちよく歩くことができる。

 何よりも、売りは、生きた化石「メタセコイア」の密生林があることだろう。よく知らないけど、九州の山では他にはないのではないか。冬の今は、木々は葉を全て落として、そこらじゅうを薄茶色の絨毯にしていたけれど、新緑の頃この林の中を通るだけでも、なんだか生気をいっぱい与えられたような気分になる。 今日は、登山口からしばらくの分岐を右に、鬼ヶ鼻岩を経由して縦走路にでた。健脚コースとの表示があったが、鬼ヶ鼻岩直下の15分程度が急登なだけで、そんないきついコースではない。 鬼ヶ鼻岩から背振山頂までの縦走路は、ほとんどアップダウンがなく、ほんとうに気持ちよく歩くことができる。

 この背振山の最大の欠点は、山頂まで伸びた車道があることである。山頂には、自衛隊のレーダー基地がでんと控えているためである。これが、山頂の景観をだいなしにしているし、車での登山者が多くいて興ざめになるのである。 わが国をしっかりと防衛している施設だから、仕方ないけれど。 それにしても、福岡県の山には、レーダー基地が多いなあ。







黄昏のベルリン


黄昏のベルリン(連城三紀彦 文春文庫)

 混血の画家が、出生の秘密を求めてヨーロッパに飛ぶ。巧妙に仕組まれた罠は、とんでもない方向へ。
 綿密な構成の冒険推理小説(国際謀略小説と書いてあるけど。)で、なんだか「ダビンチ・コード」を思い出してしまった。
 やや長め文章で、暗めの情景描写も多いので多少読みにくいところはあるが、発想もスケールの大きな小説で、プロットもよく、とても面白い作品だ。
 場面転換が頻繁に行われ、しかもそれとわかりにくい書き方(解説によると「改行もなしに二倍ダッシ(-)だけで行う、という書き方」)なので、サスペンスが増幅される。
 この小説も、読もうと思っているうちに本屋から姿を消し、探していたらやっと十数年ぶりに出版社を変えて発刊されたみたいだ。
 1988年の文春「傑作ミステリー・ベスト10」で1位、「このミステリーがすごい!」では3位にランクされている。
 この年には、「伝説なき地(船戸与一)」、「そして夜は甦る(原リョウ)」、「ベルリン飛行指令(佐々木譲)」など面白い作品が刊行されてるから、それらを押しのけて高位にランクされているのは、やはり傑作の証拠であろう。

2007年12月22日土曜日

アランフェス協奏曲


 昨夜は、たぶん今年最後の忘年会だった。一昨日も忘年会だったけど、なんとかブログを書いた。さすがに二連続目の昨夜は、週末でしかも三連休の前夜ということで、早々と寝てしまった。
 しかし、今朝はあいにくの天気だ。今日は、読書と音楽鑑賞かなあ。

 ということで音楽鑑賞。
 注文していたCDが昨日入荷していて、今朝から何度も聴いた。パコ・デ・ルシアが奏でる「アランフェス協奏曲」である。
 先日、サビーカスのフラメンコを聴いたあと、近頃のフラメンコも聴いてみたいと思い、ネットでフラメンコのCDを物色していて興味を持ち、注文していたものだ。
 フラメンコのパコが、どんな演奏をしているのか興味をもった。先日、読んだ「カディスの赤い星」の作家、逢坂剛さんが解説を書いているのも一興である。
 で、聴いてみて、意外とまじめにクラシック音楽の演奏として取り組んでいるというのが、正直な感想である。もちろん、フラメンコの名手であるから、それらしいところが随所に見られるというが、これはあくまでもクラシック曲の演奏である。しかも、ライブ録音の協奏曲ということで、なんだかギターが控えめに感じてしまう。彼の演奏にはもっとフラメンコを期待したのだが。
 ま、パコ・デ・ルシアは、フラメンコを聴くのが一番ということか。
 「アランフェス協奏曲」は、イエペスのレコードを持っているけどこれはめったに聴かない。一番好きなのは、ジュリアン・ブリームのギターとジョン・エリオット・ガーディナー指揮ヨーロッパ室内管弦楽団の演奏。イエペスのは流れているように聞こえるけど、これは、ギターの一音一音がきれいです。残念ながらテープでしか持っていないけど。

 

2007年12月21日金曜日

未完成交響曲

 「わが愛する山ベストテン」を考えているとき、クラシック音楽ならどうかなと考えた。交響曲はどうか。10曲がさっと思いうかんだのであるが、よーく考えていたら、何故か有名な曲が落ちていた。
 ベートーヴェンの5番とともに必ずといっていいほど教科書に取り上げられるクラシックの超有名曲、シューベルトの未完成交響曲である。近頃、ほとんど聴いていなかったので、すっかり忘れていた。
 でも、僕もこの曲のレコードは、三枚持っている。カラヤン、ベーム、それにオッテルローの指揮しているもの。いずれのレコードも交響曲第8番としてあるが、第7番とされる場合もあるようで、ややこしい。まあ、私みたいな素人間では「未完成交響曲」で十分であるが。
 それで、カール・ベーム指揮ベルリンフィルのは、それらしく端正で、オーソドックスな演奏と言っていいのかな。
 今回改めて10年ぶりかもっとそれ以上かな、まったく久しぶりにカラヤン指揮ベルリンフィルのを聴いてびっくりした。
 第一楽章は、ゆったりしたテンポではあるが、それでもカラヤンらしいメリハリのある演奏ではないかと思われる。それが、第二楽章に入ると、「ん?」となる。極端に遅めのテンポで抑えに抑えた不気味な演奏になるのだ。
 えっ!カラヤンってこんな指揮もするのって改めて驚いた次第である。
 ちなみに、第二楽章の演奏時間は、ベーム盤が11分26秒なのに、カラヤンのほうは、12分16秒となっている。
 この曲の一番有名な演奏は、カルロス・クライバーがウィーンフィルを指揮したもののようで近いうちに購入して聴いてみようかなと思っている。
 ところで、この未完成交響曲が、外国の映画に使われていたような記憶があるのだが、何の映画だったか思い出せない。最初にこの曲を聴いた時、曲を映像化したい気分になったのが、そういう思い込みになったのかもしれないけど。

2007年12月19日水曜日

わが愛する山


 今日購入した山と渓谷1月号に「わが愛する山」と題する特集があった。

 ベストテンは、なるほどなと思われる山ばかりで是非とも全てに登りたい。

 ちなみに私の一番好きな山は、全国の山はそれほどたくさん登ったことがないのではあるが、今のところ北アルプス穂高連峰である。

 では、「私が愛する九州の山」は?

 順位を付けるのは困難だけど、私なりにあえて九州の山ベストテンを選んでみた。

 久住山、大船山、涌蓋山、黒岳、傾山、

 大崩山、由布岳、高千穂峰、宮之浦岳、黒髪山

 それに、地元の山、しかも一番多く登っている宝満山を付け加えて11山とした(宮崎県の尾鈴山は、登っていないのではずした。)。

 もちろん九州の山も、登っていない山が多いので、独断と偏見だとは思うけれど。

 登った回数のベストテンは、

 宝満山(119)、三郡山(44)、久住山(20)、九重中岳(16)、古処山(12)、

 金山(10)、井原山(10)、 大船山(10)、黒岳(7)、由布岳(6)、背振山(6)

 これは、やはり自宅から近いところか、車での移動時間が比較的短いところになってしまう。

2007年12月17日月曜日

週刊文春「ミステリーベスト10」

 本日発売の週刊文春12月20日号に「2007ミステリーベスト10」が発表されている。
 これで、今年のベストミステリーものは出揃ったようだ。で、限られた読書時間と予算なので、とりあえず購読するつもりなのは、「このミス」と「文春ベスト10」との両方の高順位作品。
 今回は、国内ものでは「警官の血(上、下)」と「女王国の城」、海外ものでは「ウォッチメイカー」と「復讐はお好き?」くらいかな。
 特に、「ウォッチメイカー」は、「ボーン・コレクター」のリンカーン・ライムシリーズの最高傑作との評もあるので、触手が動く。でも、単行本で2095円は、負担だよなあ。
 蛇足、さっき本日発売と書いたけど、「週刊文春」は、関東地方では13日発売のようで、福岡とは随分差がある。「山と渓谷」も15日のが明日18日とこちらも遅い。
 輸送に時間がかかるのは解るが、なんとなく面白くない。極端に言えば文化の程度の差につながるような気分がしている。なんとかならないものか。

2007年12月16日日曜日

フラメンコ


フラメンコ・ギター・ゴールデン・プライズ(キングレコード) 

 「カディスの赤い星」を読んでいてフラメンコが聴きたくなった。

 若い頃、友人(朝日会のメンバー)の影響でちょっとだけフラメンコギターを練習したことがある。独特の4連符のトレモロ、めちゃ速いスケール、激しいラスゲアードなど、なかなか難しくてすぐに挫折したけれど。

 そのころテープとかレコードとか集めたけど、結局手元に残っているのが、このレコードだけ。

 「フラメンコ・ギターの王者」とか「最も偉大なフラメンコ・ギタリスト」と言われていたサビーカス(Sabicas 1912-90)の独奏で、フラメンコの代表的な形式が一曲ずつ演奏されている。

 喜びの「アレグリアス」、哀愁の「ファルーカ」、孤独の「ソレアレス」、絶望の「シギリーヤス」、それに郷愁の「グラナイーナス」など、どの曲も魅力的だ。

 サビーカスの演奏は、卓越した技巧で端整である。フラメンコの魅力である野性味に欠けるといって嫌う人もいたようだが、フラメンコギターを芸術の域にまで高めたのは彼の功績であるとの評価もある。

 最近のフラメンコ奏者にはどんな人がいるのか知らないが、是非一度くらいは本場スペインで唄、踊り、ギターのショーを観てみたい。もっとも、有力な奏者は、スペイン国内では聴けず、お金になる海外にしかいないとも聞いたことがあるが。

 私は、もうほとんどギターは弾いていないけど、先にふれた友人は、スペインまでフラメンコギターを買いに行って、今でもキャンプ場にも持ってきて弾いている。確かに魅力的な音楽である。

夜中のイナバウアー

 思い出したことが一つ。
 「空から星が降ってくる」トニー・ザイラー主演の映画です。
 13日木曜日深夜、偶然テレビをつけたら、BS2でこれがあって、スター役がなんとイナ・バウワー。
スキーの名人とアイススケートショーのスターの恋愛コメディ。落下傘でリンクに彼女が降りてくるシーンがあって、それが題名らしい。ストーリーはあっても半分以上スキーをするザイラーとアイスショーの場面ばかり。
 そして、荒川静香とは少し違ってはいたが、美しいそりかたで、イナ・バウアーをやっていた。ワンシーンだけで、もう一回しないかな、ととうとう最後まで見てしまった。荒川静香さんの金メダルのとき、ドイツのイナ・バウワーさんにインタビューしに行った、TV局があったけど、本人は、ノーコメント。画面にも登場しなかった。結構人気のあった、女優としても通る方だったらしい、健康的な美人。
 あのオリンピックのころ、イナ・バウワーさんの、女優として、華やかなスケートシーンがあったのを誰も知らなかったのだろうか。それにしても、儲けもんの、深夜映画、イナ・バウワーでした。

2007年12月15日土曜日

古処山

古処山(こしょさん 860m)

 九州には、深田久弥氏の日本百名山が6山あるが、残念ながらわが福岡県には1山もない。英彦山が、深田クラブの二百名山にあがっているだけだ。
 しかし、全国的な百名山に挙げられている山が、福岡県にも2山あるのだ。
 1山は宝満山で、小林泰彦氏の「日本百低山」に。
 もう1山が、今日登った古処山である。田中澄江氏の「新・花の百名山」に挙げられている。
 福岡県のちょうど中央部分にある形のいい山で、県内ではむしろキャンプやハイキングの山として親しまれてる。
 私は、花の名前はほとんど知らないし、あまり興味はないのだが、なるほどこの山には、7月には「オオキツネノカミソリ」がたくさん咲いていることくらいは知っていたけれど。
 それよりも、この山の最大の特徴は、天然記念物の「ツゲの原生林」があることだろう。
 美しい城下町秋月のはずれにある秋月キャンプ場入り口が登山口。 駐車場から1時間ほど登ると、「水舟」という水場に出て、そこから2~3分登れば原生林への分岐がある。分岐を右に登ればすぐに原生林入り口。これほどのツゲ原生林は、全国でも珍しいとのことである。
 ツゲのトンネルの中を10分程歩けば、縦走路に出る。右へ登れば屏山、古処山頂は、左へ15分の登りだ。

 山頂付近は、石灰岩の露岩がゴロゴロしていて、滑りやすい。山頂の社が黄金色に塗られていたのが、印象的だった。雲空の今日は、山頂では雪がちらついていた。
 「馬攻め」といわれる広場まで下って、昼食。 下山は、八丁越え(旧秋月街道)のほうへ。古い石畳の急坂を、昔の大名の駕籠かきは大変だっただろうなとか思いながら、のんびりと気持ちよく下る。  
 道端に真っ赤な野いちご(山いちご?)が、たくさんなっていて思わず口に含む。素朴に甘酸っぱくて美味しい。
 通称「だんご庵」(譚空庵が正しいらしい。)という紅葉の名所の脇を通り抜けると、登山口の駐車場はすぐそこである。

カディスの赤い星


カディスの赤い星(上)、(下)(逢坂剛 講談社文庫)

 小さなPR会社を経営する主人公が、取引先の大手楽器会社が招聘した有名なギター製作者から人探しを頼まれる。物語は、意外な方向に発展し、舞台はフランコ総統独裁時代のスペインへ。

 速いテンポの展開と、明快な文章で、ぐいぐいと引っ張っていく。 周到に用意された伏線、海外物を読んでいるかのような活劇と意外性、謎もスリルもふんだんに盛られているし、どんでん返しも用意されているサービス満点のとても面白い本である。 恋愛物語もちゃんとちりばめてあり、最後は読みながら涙ぐんでしまった。

 さすがに、直木賞、日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞の三冠に輝いた秀作だ。文庫本上下合わせて1000ページを超える大作だが、一気に読めること間違いない。
 

 買いだめしている本を少しずつ読んでいるが、買うほうが多くて、なかなか積読が減らないのです。

2007年12月12日水曜日

男と女

男と女 
最大、最深のミステリー
琴線を鳴らす甘美な音楽
征服したい未踏峰
そう、思いませんか。
 探していた文庫本が新装発刊された。
「カディスの赤い星(逢坂剛)」は、面白い小説です。詳細は、後日。
 今夜もいささか酔って候。

2007年12月11日火曜日

忘年会の季節

 今夜も飲んだし、明日も明後日も忘年会。来週も二回入っているし、体も財布も悲鳴をあげるなあ。 酔っているから、今夜はこれだけ。

第九の季節

 先週、朝のNHK・FMがベートーヴェンの第九交響曲を流していた。今年も、もう第九の季節になった。
 すぐに、あ、これは例のバイロイト版かなと感じた。というのは、あの木の箱を鳴らしているかのようなホールの響きは、独特なものがあり、これは僕のような鈍感な聞き手にも他との違いがわかる響きだからである。
(ホールの響きと、僕は思っているのだけれど、もしかしたら録音のせいかもしれない。)
 通勤時にはめずらしくおしまいまで聴いてしまったが、これはやはり、第九の演奏としては一番有名なフルトベングラー指揮バイロイト祝祭管弦楽団のレコードであった。歴史的な名演奏であるとのこと。  
 フルトベングラーの熱演のあまりの、最終楽章の終結部、つまり一番おしまいの部分のとんでもない速さは、早すぎて演奏が正確にできていないのではと言われているくらいだ。でも、あの速さに慣れると、他の演奏が、物足りなくなるから、おかしいけれども。
 なんでも、物知りの人によると、そこらへんをきちんと修正してあるCDもあるとか。ライブ録音のはずだけどな。
 僕も、このレコードは持っていて、家で、きちんと聴くときは、このバイロイト版を聴くことが多い。でも、普通は、CDで持っているカラヤン指揮ベルリンフィルのをiPodで聴くことが多いですね。
 で、毎年この時期になると、全国津々浦々で第九の演奏が行われていて、今年もそうなのでしょう。 「ソリストの稼ぎ時」、「こんな現象は、日本だけ」とか面白がる向きもあるようだが、そんなこと言わなくても、素晴らしい音楽なのですから、楽しめばいいのではと思っている。 第九は、僕の最も好きな交響曲の一つである。

2007年12月9日日曜日

四王寺山


 昨夜は飲みすぎたし、今朝は用事があったので、今日も山登りは昼近くからになった。先週は、所要で登れなかったので、なんとしても今日は山歩きしないと、欲求不満になる。が、時間を考えると、登る山は限られる。裏山が、まだ紅葉が美しく見えるので、久しぶりに裏山を歩いてみる。
 裏山、四王寺山は、「四王寺県民の森」となっていて、遊歩道やトイレ、野外音楽堂など、よく整備されたハイキングコースである。

 山と渓谷社「福岡県の山」には、太宰府政庁跡の横から登るコースが紹介されているが、僕は自宅に近い大野城総合公園の上から登る。公園の奥から通じる舗装林道を少し登ると右手に立派な駐車場がある。そこに車を置いて舗装林道を少し登った左側に、「毘沙門堂1.3km」との案内標識があり、横木が渡した遊歩道が山頂まで続いている。
 遊歩道としては少し急な登りではあるが、30分程度の登りで、ひと汗かけば毘沙門堂に着く。
 その左手前の林の中に、山頂がある。地図には「大城山410m」とあるが、二等三角点が設置されているだけ何もないところで、わざわざ山頂を踏む人は少ないのではとも思われる。ここをピークとした低い山地全体が「四王寺山」と言われているようで、ちょうどカルデラのように中央部分が低地になり、外輪部分を一周2時間程度で回ることができるハイキングコースである。
 北西に福岡市と博多湾が開け、東には宝満山や三郡山が聳え、南は太宰府市から筑後地方へと平地が広がっていて、それら展望しながら気分よく歩けるコースである。この山全体が、太宰府政庁の守護のための山城として、あるいは敵襲の場合の避難場所として機能していたようで、コースのいたるところにその史跡が見られる。

 今日は、比較的暖かい天気だったので、多くのハイカーと出会った。
 いったん登ってしまうと、あとはアップダウンが小さいので、山登りとしては物足りないが、夕べのアルコールを追い出すには程よい歩きだったのかもしれない。

朝日会の忘年会

 今日は、朝日会の忘年会だった。朝日会は、へこたれ団塊おやじの6人組。ほんとうは沈む「夕日会」と命名したのだが、まあギャグで「朝日会」となってしまった。
 正午に集まって、マージャンをした後、夕方から焼肉屋で宴会。いつもどおりの馬鹿話で盛り上がる。たった今帰ってきた。酔っ払いおやじになった。眠たいよ。
 朝日会は、毎月1回必ず全員参加でのハイキング後宿泊キャンプを例会としている、とても健全な会です。たとえ、話している内容は聞くに堪えないとんでもないことでもね。  

2007年12月7日金曜日

あとは文春


 今日、本屋に行ったら、ミステリーベスト10を紹介した雑誌が三冊出ていました。

 「ダカーポ」の特集「今年最高の本」、「PLAY BOY」1月号の特集「ミステリー徹夜本をさがせ!」、それに20年目になった「このミステリーがすごい」。

 あと、来週か再来週に特集されるであろう「週刊文春」の特集「傑作ミステリーベスト10」だが、これは、この時期になると、本屋で手にとって目次を注意してみていないと買い損なう。「週刊文春」は、いつもはその年の最後の号に特集されるのだが、昨年は12月14日号だった。

 ベストテンで紹介されたもの以外にもいい作品はあるのだろうが、貧乏暇なしの身であるから、こういった雑誌を参考にして読むのが精一杯である。だから、こういった企画は、大変ありがたい。

 僕は、普通は、「文春」と「すごい」との両方ともに上位にランクされているのを買って読むようにしている。 さて、今年は何を読もうかな。

雨の影

雨の影(バリー・アイスラー著 ヴィレッジブックス)

 日米混血の殺し屋が主人公のスパイアクション小説。なんのためらいもなく人を殺す殺し屋。ゴルゴ13を思い出すというか、ものすごく強い。実際にこんな殺し屋が存在しているとしたら危険極まりないことなのだが、その彼が、正義の味方かと思われるような、スーパーヒーローとして活躍する。きちんとした人格者として。
 こんな悪人の主人公にも、ついつい共感し、肩入れしてしまう。舞台は、日本。 敵の多い殺し屋の安全確保のための身の処し方や、尾行のまき方なども詳細だ。美女との絡みも、格闘シーンもリアルで興奮する。
 冒頭の皮肉たっぷりの持って回った言い方、いかにも翻訳ものといった文体に、嫌だな、こんな文体は好きではないなあと思いながら読み始めたのだが、すぐに慣れて、面白さにぐいぐいと一気に読み進めてしまった。
 この「雨の影」は、同じ主人公の二作目で、一作目「雨の牙」の続編となっているようで、できれば一作目から読んだほうが前後の関係が理解しやすいのではと思われる。
 雑誌「ダカーポ」2006年9月6日号の特集「眠れないほど面白い本111冊」の中で紹介されていた本である。シリーズ4部作となっていて、三作目「雨の罠」、四作目「雨の掟」も既に出版されているようである。

2007年12月3日月曜日

ベートーヴェンピアノ協奏曲第5番

ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番変ホ長調作品73「皇帝」
(p)ウィルヘルム・バックハウス
 ハンス・シュミット・イッセルシュテット指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 先週朝、通勤の車の中でNHK・FMから流れていた曲がこれ。車での通勤は、10分くらいだから当然ほんの一部分だけ。たしか、フルトベングラー指揮とか言っていたけどピアノは誰かわからなかった。
 家に帰ってゆっくり聞きたいなと思っていたけど、なかなか時間ができず、やっと今夜聴くことができた。
 ベートーヴェンのピアノ協奏曲のうちで一番有名なのがこの曲だろう。その名の通り堂々とした曲である。僕は、何故かこの曲の第一楽章を聴くと、坂本九の「上を向いて歩こう」を思い出す。
 バックハウスの演奏は、録音のせいかもしれないが、なんだか骨太で男性的な感じを受ける。
 もっとも、他のレコードをじっくり聴いたことが無いからあてにはならないけれど。

2007年11月30日金曜日

犯人に告ぐ


 犯人に告ぐ(雫井脩介著 双葉文庫)

 今、丸善に平積みしてあり、帯に「週刊文春第1位」、「週刊現代第1位」、「傑作大ベストセラー」とあるのに魅かれて購入する。

 過去に誘拐事件で失態を犯し左遷された警視が、児童連続殺人事件に挑む。劇場型捜査というユニークな手法で。

 なるほど、面白い。確かにベストセラーになるだけのことはある。上、下、二冊を一気に読んでしまった。近頃、本を読むスピードがぐっと落ちているのに、珍しいことだ。

 テーマは重苦しいのだが、テンポがいいので、暗くない。次から次へとストーリーが展開し、どうなる!どうなる? と次が読みたくなる。「罠」も周到だし、溜飲が下がる。よくできたエンターテイメントである。

 まあ、果たして現実的にはどうかな、このような行動をとるかな?という面は多々あるけれど、そこは小説。文句なしに面白く読める警察小説である。

 なお、2004年の「このミステリーがすごい!」では、8位にランクされている。

2007年11月28日水曜日

ミステリが読みたい


 本屋を覘くのも楽しみの一つだ。

 今日もぶらりと立ち寄ったら、「ミステリが読みたい!」という本が店頭に並べてあった。早川書房が出した年間ベスト・ミステリの紹介本である。

 この手のものとしては、既に宝島社から「このミステリーがすごい!」がでているし、週刊文春も毎年暮れに「傑作ミステリーベスト10」を発表している。そのほか類似の企画がいくつか出されているようだが、まあ先の二つがベストミステリーものとしては定着しているのではないか。

 ここに、ミステリー界の老舗(だと思いますが)早川書房が新たに参戦したのは何故か。ミステリー愛好者としては、選択の指針が増えたことは歓迎すべきことかなとは思いますが。

 ところで、この中身を見て愕然とした。私は、「海外部門」、「日本部門」、それぞれ20位までに挙げられている作品を、どれ一つ読んでいないのだ。ミステリー読書を趣味の一つとしている身としては、恥ずかしい限りである。今年になって、ミステリー(広義)を読んだのは、「行きずりの街」のたった一冊だけ。ミステリーに分類できる本を買い込んだのは何冊もあるのだが、全て積読になっていた。

 大いに反省して精力的に読みたいと思いました。

 ところで、 早川書房は、「ミステリー」を「ミステリ」と最後を延ばさない。前者が一般的だと思うのですが、何かこだわりがあるのだろうか?

2007年11月26日月曜日

テレビドラマ

 月曜日は、忙しい。
 夜9時から見たいテレビ番組が同時に二つ。
 一つは、探偵ガリレオ。もう一つは、たけしのテレビタックル。同時には、なかなか見ることができないから、どちらかを録画して後で見ることとなる。両方とも民放だから、CMの部分は早送りすることとして、幾分かは時間の節約にはなるのだが、それでも二時間近くをテレビに割くこととなる。
 これで報道番組を見ると、ほとんど後の時間がなくなる。ま、しょうがないか。
 探偵ガリレオは、短編集も容疑者Xの献身も読んだけど、なかなか面白い。テレビも福山と柴咲のコンビがなかなかよくて気に入っている。
 古畑任三郎が終わって寂しく思っていたが、このガリレオとか相棒とか面白い探偵物が見れて楽しい。
 ずっと昔に「日真名氏(こんな字だったかな?)飛び出す」という面白いテレビドラマがあったのを思い出した。夢中で見たものです。

2007年11月25日日曜日

モーツァルト交響曲第40番ト短調K.550

モーツァルト交響曲第40番ト短調K.550(ブルーノ・ワルター指揮 コロンビア交響楽団)
 ずっと若いときの話。
 失恋して街をさまよっていた私の耳に流れてきた甘美なメロディ。傷ついて、滅入ってしまった私の心に同調し、涙を流しているかのように。
 私は、思わず足を止めて聴き入ってしまった。冒頭の有名なメロディです。そのときは、この曲の名前を知りませんでした。クラシックはほとんど聴いたことがなかったからです。でも、このメロディは、それ以来ずっと私の心の中に流れています。
 社会人になって、少しばかり経済的な余裕ができ、クラシック音楽を聴くようになったのは、この曲が流れていたからだと思います。
 ワルターのゆったりとした哀愁に満ちた演奏は、他のレコードでは味わえません。コンサートでの演奏や他のレコードもいくつか聴いたけど、やはりこのレコードが一番好きです。特に第三楽章メヌエットの雄大で威厳のある悲しみは、聴くたびに涙が出そうになります。今夜も今、ちょっと、うるうる。
 私が、最も大切にしている曲とレコードです。

ウミが見える

 昨日の宝満山で思い出した話がひとつ。 宝満山山頂からの展望はなかなかのもので、福岡ドーム等福岡市街から博多湾、能古島などが眼下に広がります。
 で、いつだったか友人から聞いた話です。 山仲間の友人が、宝満山に登り、山頂で昼食をしていたら、20代の若者が3人登ってきた。山頂に着くなり、こんな会話を始めた。
「おーウミが見える」
「そういえば、ウミに入っていた者は、みな宝満山を懐かしがるもんね。」
「ウミからも宝満山が見えるけんね。ところで、おたくは今、何人ウミに入ってるね?」
「うん本家とあわせると5人ほど入ってこまっとる。」
 そこに中年の男が汗をたらしながら登ってきた。三人お辞儀をしながら、
「おやっさん、おつかれさんです!」
 中年の男は、シャツを脱ぎながら、汗を拭き始めた。
 友人は、今までに会話を不思議に思っていたが、これで疑問が吹っ飛び冷や汗がでた。
 中年の背中全体に、きれいな刺青。
 なんと、その筋の人の集団登山でした。
 「ウミ」は「宇美の刑務所」のことらしい。宇美町は宝満山の直下、北北西にある町です。
 その後の会話では、なんでもおやじさんは、百名山制覇を目指しているとか。
 うむー!新しい形の全国制覇か。
 対抗して、警察も頂上作戦が必要か。
 いやー、ほんとの話らしいですよ。

2007年11月24日土曜日

宝満山





 宝満山(830メートル)は、地元の山で、交通が渋滞していなければ、登山口まで車で20分ほどで行くことができます。低山ですが、登山者の数は、九州の山の中でも多分ベスト5には入ると思われます(誰も数えたことはないでしょうが、皆さんの意見です)。一番だという人もいます。雨の平日でも必ず登山者がいるほどです。

 宝満山は、山伏の修験場として栄えた山で、今でもその痕跡が随所で見られますが、この山の詳細については、「宝満山歴史散歩(森弘子著 葦書房)」や「宝満山徹底ガイド(ふくおか自然に親しむ会編 西日本新聞社)」などが出版されています。

 また、小林泰彦氏の「日本百低山」に選ばれていますし、NHKのテレビ番組「趣味悠々中高年のための登山学 日帰り登山で基本を学ぶ(岩崎元郎氏指導)」でも訓練の山として取り上げられています。

   登山口は、いくつもあるのですが、今日は一番ポピュラーな正面登山口から登りました。

 11:18 登山開始 登山口には、縁結びで有名な竈神社があります。境内の紅葉は見事で、一昨日にもテレビで紹介されていたようです。  登山口から山頂まで、ほとんどずっと自然石を整えた石段が続き、なかなかしんどい山登りです。ガイド本によれば(どのガイド本だったか忘れた)、最初に登ったときは、山ノ神が、「よく来たな」と言い、二度目には「また来たか」、三度目には、「おまえも馬鹿だな」と言われるとか。そのくらいきつい山です。ここを楽に登れるようだと、どこの山に登っても大丈夫だとも言います。  途中「百段ガンギ」という急峻な石段などもあり、山頂まで汗をかきかき登ります。  今日は、竈神社の駐車場(400円)から山頂まで1時間25分で登りつきましたが、夏場は、ぐっとスピードが落ちます(コースタイムは、1時間30分)。

 山頂には、大きな岩と竈神社の上宮(宝満宮)社があり、たくさんの登山者で賑っていました。昼食。  ここまでだとちょっと物足りない山登りになるので、縦走路を三郡山まで足を延ばします。急な石段を下り、鎖場を下れば、縦走路に出ます。縦走路は、三郡山からしょうけ越えを経由して若杉山まで12キロありますが、今回は、竈神社に車を停めているので三郡山から往路を引き返すことにします。縦走路は多少のアップダウンはあるけど、とても気持ちよくあるけるいい山道です。宝満山山頂から三郡山まで片道50分くらいでしょうか。

 三郡山から引き返して再び宝満山の山頂を踏み、膝にくるなあと思いながら竈神社の駐車場に帰り着いたのが15:22でした。

 約4時間の山歩きで、程よく疲れました。

行きずりの街

◎ 行きずりの街(志水 辰夫)新潮文庫
 田舎の予備校教師が、行方不明の教え子を探しに上京する。その子の行方不明には、 彼がもと勤めていた女子高が関係していることがわかってくる。
 この小説は、ジャンルで言うと、ハードボイルドになるのだろうか。
 素人にしては、とてつもなく肝の据わった元教師が、並みの私立探偵顔負けの大活躍をするのだが、まあそれはともかく、とても面白く読める作品です。
 2005年9月にはテレビドラマ化されているようです。見たかったな。 
 この作品は、「1991年このミステリーがすごい!(92年版)」の1位にランクされている(ちなみに、2位は、「新宿鮫Ⅱ」)のだが、同じ年の週刊文春「傑作ミステリーベスト10」には、全くランクされていない。なぜだろうか。

2007年11月20日火曜日

日経新聞夕刊からの思わぬ収穫

 と言っても、たいしたことではないのですが。めずらしく日経新聞の夕刊をながめていたら、二つの収穫がありました。いずれも経済面ではなく、コラムと文化欄からというのが、面白い。
 まず一面のコラム「あすへの話題」に、柴田翔さんの名前を発見した。ずっと昔に読んだ、「されどわれらが日々」の作家がお元気でおられる。しかも日経新聞という、当時の作風からはちょっと取り合わせが考えられないメディアに意見を書いていらっしゃることが驚きであった。まあ、いろんな人間の内面を見つめてこられた方であるから、経済の大新聞でもしっかりと主張をしていただきたいと思いました。    
ついでに、「されどわれらが日々」の書評をネットで見ていたら、こんなのが書いてありました。引用していいのかどうかわかりませんが、許していただくこととして引用すると
  「私は、この世代の人々が社会人に成っても持ち続けた屈折した挫折感の様な物にウンザリさせられて来ましたから、この小説に溢れる彼らの挫折感に共感する気持ちには成れません。--作者と登場人物の世代に特有のナルシズムを感じます。--やっぱり、この小説の作者やこの小説の登場人物たちより、第二次世界大戦を戦った日本人の方が立派だなと、今の私は思ひます。」
 この意見には、共感できる部分もありますが、「戦った日本人」が果たして主体的だったか、考えさせられます。
 もうひとつは、うれしい発見。やはり夕刊の最後のページ。「夕刊文化」という欄に、私の好きな作家で、地元在住の「原りょう(りょうは寮のウ冠を取ったもの)」さんの近況を伝えるもの。「愚か者死すべし」を書いて以来なかなか次作を出してくれないなあ、あの時は次は早く出しますとか書いてあったのに、と本屋を覘いては、いつもまだかまだかと首を長くして待っていたのですが。いま、執筆中とかで、面白いものができるとか、主人公の愛車ブルーバードがそろそろ買い替えのときだとか、面白い作品が期待できそうです。彼は、鳥栖のジャズ喫茶で時々ピアノを弾いていらっしゃるとかで、近いうちに鳥栖まで探訪しに行こうかな。

2007年11月19日月曜日

二ノ岳、三ノ岳

2007年11月17日(土) 二ノ岳(にのたけ 685.4m)、三ノ岳(さんのたけ 681.3m)
野出公民館横~二ノ岳~鞍部~三ノ岳~鞍部~ニノ岳~野出公民館単独 
 久しぶりに早朝6時半に家を出る。僕のナビで近くがセットできるのは野出公民館だけだった。ナビのとおりに九州自動車道菊水インターで下り、県道1号線(?)を南下する。玉名市の南部から見える二つのピークが多分そうだろうと見当をつけるが、天を突くようにすくっと立ち上がった姿がとても美しい。700mたらずの低山とはとても思えないくらいである。 ナビをセットした登山口の野出公民館には、山の麓のみかん畑の間を通る山間道路をくねくねと走るのだが、分岐が多くてナビが正常に働かないようで何度も間違ったり引き返したりした。
 8:30 なんとか着いたのは、かなり開けた場所であった。公民館横に登山者に開放された駐車場があり、車10台程度は停められる。
 8:39 野出公民館横から登山開始。標識に従って急なコンクリートの舗装道路を登ると三叉路に出る。左に2~3メートル行けば右に標識があり、ちょっと登れば登山口がある。急な登りは、きちんと横木が渡した遊歩道となっている。かなりの急登であるが、ジグザグに道が作られているので、さほどきつさは感じない。 
 途中、「胸突き八丁の坂」との標識があり、80mを3分で登ると健脚とか書いてある。対抗意識がでて、ちょっと急いで登る。1分程度で平坦な道となるが、終点がどこかわからない。あれ、間違ったかなと引き返したが分岐点はない。また、登ってまっすぐ行くと、また緩やかな登りになり、最後に急な登りをひと頑張りで山頂にでる。
 9:13 二ノ岳山頂 山頂からは有明海が見下ろせ、その先には普賢岳が雲上に姿を見せている。あいにく天気がよすぎて少しもやっているようだ。反対側には、三ノ岳のきれいな姿が望まれる。
 9:17 山頂発、三ノ岳をめざす。
 9:31 急坂を下るとすぐに鞍部の舗装林道に出る。右に行けば河内出張所とある。左に三ノ岳のほうにちょっと歩くと、右に登山口の標識がある。
 9:37 標識には、山頂まで22分と書いてある。最初は緩やかに、すぐに急な登りとなるが、それほどは続かない。簡単な岩場になると、山頂はすぐである。
 9:51 三ノ岳山頂 山頂標識のすぐ裏に三角点がある本当のピークがある。
10:00 下山。往路を引き返すこととする。下りは7分で鞍部に帰る。舗装林道を戻ると1時間くらいかなあとちょっと考えたが、道もよくわからないし、登り足りなかったのでもう一度二ノ岳を踏んで帰ろうと往路を引き返すこととした。
10:11 二ノ岳登山口
10:30~34 二ノ岳山頂
10:45 野出公民館横駐車場に戻る。
 ナビを草枕温泉「てんすい」にセットする。15分ほどで温泉。きいれいな温泉で、露天風呂からは有明海が雄大に広がり、晴天の大展望を楽しむ。どなたかがガイドブックに書いていたようにニの岳、三ノ岳は、この温泉とセットで選ばれたのかなと思ってしまった。
 登山としては物足りないが、晴れの日ならハイキングとしてはなかなかいいコースだと思う。

2007年11月15日木曜日

クロイツェル・ソナタ

 トルストイの小説に「クロイツェル・ソナタ」というのがありますが、その中で重要な役割を持つのが、ベートーヴェンの「ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調Op.47「クロイツェル」です。小説の中で、主人公がこう言います。
 「殊に最初のプレストですね、一体あれをデコルテを着た婦人たちの間で、普通の客間の中で弾いてもいいものでしょうか?(略)ああいう曲は、一定の厳粛な意味のある場合のみ奏すべきで、しかもその音楽に相当した一定の行為を必要とする時に限ります。」(米川正夫訳岩波文庫)
 この小説の前後の脈絡からすると、「一定の行為」とは、性的な行為だろうと私は想像するのですが、そのような「恐ろしい曲」なら是非とも聴いてみたいと強く思ったことがあります。それ以来、このソナタを何度ともなく聴きましたが、どうでしょうか。
 いつも「なんでかなあ?」です。でも、なかなか魅力的な曲ではあります。今夜聴いたのは、シェリングのバイオリンにルービンシュタインのピアノでした(1958.12.30-31録音)。

2007年11月12日月曜日

音楽の聴き方


 働いていると、当たり前だけど、音楽を聴く時間が限られる。帰宅して、所用を済ませ、ほっとして寝るまでの間、本を読みながらとかの時間が音楽鑑賞の時間になる。私の場合、弱いけどお酒が好きなので、一杯飲みながらの鑑賞が至福の時となります。ところが、お酒を飲むと気持ちがよくなって眠くなる。したがって、クラシック音楽の場合、レコードの終わりの部分は、夢の中ということが多い。気がつくと針がレコードの最後の溝をぐるぐると回っている。 そんな聴き方をしてきました。
 ここ10年ほど忙しくて、その時間さえも持てないことが多かったが、やっとまた少し時間ができるようになったので、単純な感想を書いていきたいと思います。しかし、みなさんのブログやホームページを見ていると、本当に専門性が高いなあと感服することが多いです。私ももう少しきちんと聴いてみようかなと思っています。 
 今、一番好きな曲は、昨夜聴いたショパンのノクターン。特に最初の「変ロ短調作品9の1」がいい。ルービンシュタインのピアノはゆったりとしているが流麗で、抑えた悲しみは、それを楽しんでいるような感じさえ受けます。気品を感じます。
 と書いたけど、他の人が弾いたのはほとんど聴いたことがないのですがね。

 

 

2007年11月11日日曜日

扇が鼻



 10日(土)から11日(日)にかけて、九重の扇が鼻に登り、湯坪温泉「御宿・泉水」のログハウスに泊まってきました。「朝日会」というグループでの遊びです。久住高原の紅葉は、盛りを過ぎつつありますが、まだまだ楽しめます。でも、さすがに山の上はもう冬枯れの季節になっています。
 左の写真の奥が「扇が鼻(1698m)」です。九重の山々のなかで、このピークだけを目指して登る人はあまりいないでしょう。久住山に登るついでに立ち寄るというピークですが、朝日会はこれで十分なのです。
 帰りに、数年前の集中豪雨で流されてしまった疥癬湯温泉に寄ってみました。ここは、秀麗な姿の涌蓋山の登山口となっていましたが、その後このように整備されて、昔の面影は、全くありませんでした
(右の写真)。

2007年11月10日土曜日

プレリュード

 昨夜聞いた音楽は、山口百恵のささやかな欲望、徳永英明のボーカリスト3、それにショパンのプレリュード。最後の24番がよかったな。アルゲリッチのLPですが、ショパンの激しい一面を再認識させられました。しかし、24の前奏曲というけど、ほとんど切れ目なく演奏されるので、どの曲が何番かよくわからない。
 明日は、朝日会で九重方面の山に登るので、早起き。早く寝なきゃいけないけど、何かひとつは聴いてから寝たいな。読みかけのミステリーもあるし。どうしても寝不足になるなあ。
 朝日会については、またいつか詳しく書こうかな。

2007年11月8日木曜日

山歩きは満10年になります

 山歩きをするようになったのは、ちょうど10年前の11月からです。山歩きに関する技術、知識等全く素人です。ガイドブックを読んだ程度で、地図や磁石の使い方もよく知りません。まあ、一応持ってはいるんですけどね。
 昨日の金山は、345回目の山歩きでした。登った回数が一番多い山は、地元の宝満山で、百回以上登っています。もっとも宝満山は千回以上登った人がたくさんいますし、一日三回も走って登る人もいるようです。この山については日を改めて書くつもりです。

はじめまして


 はじめまして。 標題の「山と音楽」は、山と音楽の関連を述べようとするものではありません。

 単に、好きなものを並べただけです。山歩きが好きで、音楽が好きだというだけです。

 山は、主に九州の低山歩き、音楽は、クラシック中心に聴きますが、どちらも専門的ではなく全く素人の域を出ていません。でも、まあ自分の記録代わりにこれを書いてみようかなと思っています。

 昨日は、いい天気だったので、思い切って仕事をさぼって、近くの山に登りました。福岡と佐賀の県境にある金山です。花乱の滝というまあまあの滝の横を通って登ります。少しの紅葉を期待して登ったのですが、それは期待はずれでした。常緑樹が多いからかな。でも、木の名前も種類も知らないのでどうだかわかりません。その代わりこんなきのこを発見しました。まるでみたらし団子みたいに表面を蜜みたいなものが覆っていて美味しそうではありましたが、毒かなあ。