2007年12月15日土曜日

カディスの赤い星


カディスの赤い星(上)、(下)(逢坂剛 講談社文庫)

 小さなPR会社を経営する主人公が、取引先の大手楽器会社が招聘した有名なギター製作者から人探しを頼まれる。物語は、意外な方向に発展し、舞台はフランコ総統独裁時代のスペインへ。

 速いテンポの展開と、明快な文章で、ぐいぐいと引っ張っていく。 周到に用意された伏線、海外物を読んでいるかのような活劇と意外性、謎もスリルもふんだんに盛られているし、どんでん返しも用意されているサービス満点のとても面白い本である。 恋愛物語もちゃんとちりばめてあり、最後は読みながら涙ぐんでしまった。

 さすがに、直木賞、日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞の三冠に輝いた秀作だ。文庫本上下合わせて1000ページを超える大作だが、一気に読めること間違いない。
 

 買いだめしている本を少しずつ読んでいるが、買うほうが多くて、なかなか積読が減らないのです。

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