2009年11月15日日曜日

ブログの移転

このブログを移転します。
今後は、以下をご覧ください。
http://yamanamiharuka.asablo.jp/blog/

2009年11月4日水曜日

沈まぬ太陽

 映画「沈まぬ太陽」を見ました。はっきり言ってつまらなかったです。途中休憩10分を挟む3時間超の大作でしたが、話題の割には、面白くなかった。原作を読んでいれば、もっと違ったのかもしれないが、映画全体の芯がないというか、訴えるものがないと感じました。
 まず、主演の渡辺謙さんはともかくとして、大好きな百恵ちゃんの夫は、ミスキャストではないか。その他、豪華演出だが、なんとなく違和感ばかり。
 また、映画全体の物語としては、御巣鷹山の悲惨な事故との関連が、ウェイトが大き過ぎた。海外ロケの意味が、大変だ大変だとは騒いだ割には、あまり感じられない。映像(カメラアングル?)が、一部を除いてあまり美しくないように感じた。などなど、原作者の「映像化されるまで死ねない。」といったような宣伝に期待していただけに、残念でした。
 同じ原作者の「不毛地帯」が、テレビで放映されているが、こちらのほうは、緊迫感があって面白いのに。

2009年10月31日土曜日

黒岳(くろだけ 1587m)
 黒岳は、九重連山の北東端にある原生林の山で、九州では僕の大好きな山の一つだ。今日は、10回目の黒岳登山になる。
 先々週の三俣山の紅葉がすばらしかったので、黒岳原生林も素晴らしい紅葉が見られるのではないかと期待していたが、さすがに高いところの紅葉はすでに終わっていて、残念だった。
 紅葉は、中腹のソババッケあたりでは、まだかろうじて美しい状態で、たくさんの登山客が写真を撮っていた。
 いつものように男池園地の駐車場に車を停め、男池の側を通って登っていく。冷たくて美味しい「隠し水」が、乾燥期のせいなのか、ちょろちょろと頼りない量だった。枯れてしまわないか、大丈夫かな。
 ここのところ体調があまり良くないせいか、登って行くのがいつもよりとても疲れる。
 風穴からの急登は、今日は特にきつかった。時々立ち止まりながら、ゆっくりゆっくり登った。巨岩の積み重なったピーク「天狗」にも黒岳の山頂「高塚」にも、やはり紅葉目当てなのか、団体の登山客がいっぱいで、弁当を広げるスペースもない。
 山頂を踏んだらすぐに下山した。下山後は、このところの定番温泉「山恵の湯」で汗を流し、このところ体重が危機的なので、大好きなアイスクリームも我慢して帰路についた。
(9:37)男池園地駐車場発、 (10:22)ソババッケ、
(11:06-10)風穴、 (11:50)天狗別れ、 (12:05-10)天狗、
(12:38)高塚(黒岳山頂)、 (12:50-13:12)天狗別れで昼食、
(13:39)風穴、 (14:29)ソババッケ、 
(15:15)男池園地駐車場に戻る

黒岳(九重連山)







2009年10月18日日曜日

ワーグナー 管弦楽曲集


ワーグナー管弦楽曲集

 クラウス・テンシュテット指揮 ベルリンフィルハーモニー管弦楽団 

 ちょっと前にテレビドラマの中で「ワルキューレの騎行」が使われていた。映画「地獄の黙示録」に使われていたあのカッコイイ曲だ。

 それを聴きたくなったが、僕の持っているカール・ベーム指揮ウィーンフィルのレコード「ワーグナー管弦楽曲集1、2」には入っていない。そこで買ったのがこのCDで、これは輸入盤だが、別に国内版も同じ曲目構成で販売されているようだ。

 ゆったりめのテンポで、骨太でドラマチックな演奏は、しかも美しくてとても聴きごたえがある。録音も比較的よくて、どの曲の演奏もとても素晴らしいと思うのだけど、特に「ニュルンベルクのマイスタージンガー」の盛り上げ方には思わず息をのむ。

 これらの素晴らしくドラマチックな前奏曲等が使われているワーグナーの楽劇は、しかし、僕は全く鑑賞したことがない。残念ながらテレビでもほとんどやっていないし、DVDを買うしかないのかなと思うけれど、購入するお金も、まとまって鑑賞する時間もとれないというのもあるのかな。

 でも、なるべく早い機会にじっくり鑑賞したいと思っている。

2009年10月17日土曜日

九重・三俣山・大鍋・小鍋











三俣山(みまたやま 1744.8m)




 職場の山仲間と九重・三俣山に登ってきました。




 天気も今いちの予報だったし、紅葉にもちょっと早いかなと、あまり楽しみのない山行であったが、望外に素晴らしい紅葉を観ることができました。たぶん、今週いっぱいが見頃でしょう。




 雲空の天気を心配しながら早朝の長者原に着いて、名犬平治号の前から登山開始したのが7時15分。旧硫黄鉱山の舗装道路をスガモリ越へと登る。




 スガモリ小屋の跡付近は、風が強く、寒い。めずらしくシャツとウィンドウブレーカーを着こむ。




 三俣山本峰付近は、ガスがかかり始めていた。ガスの切れ目から大鍋を覗き込むと、予想外に紅葉が進んでいて、素晴らしい。くっきりとした赤が目に入った。




 「九州の紅葉は、紅葉ではなく枯葉だ」とある東北の人が言ったとかですが、普通九州の紅葉は赤色がくすんでいる。今日はところどころ鮮やかな赤色が目に入る。見事なものです。




 本峰から南峰へと回り、ガスが濃くなってきたので南峰付近でしばらく待機し、晴れ間が見え始めてから小鍋、北峰と回り、素晴らしい紅葉に随所で感嘆の声をあげながら大鍋の底に下った。そこで昼食。  




 昼食後、降りてきた北峰と本峰との鞍部とは反対側によじ登り、雨ヶ池のほうへ下る。




 雨ヶ池からは坊がつると反対側、長者原のほうへ下り、7時間の山行を終えた。星生温泉山恵の湯で汗を流し、帰路につく。




 今日の紅葉は期待していなかっただけに、本当に驚くほどの素晴らしい紅葉であった。




(7:15)長者原平治号前発、 (8:35)スガモリ越え、




(9:15)西峰、 (9:45)本峰、 (10:23)南峰、




(11:33)北峰、 (11:54)大鍋の底、昼食、




(12:33)大鍋の底発、 (13:18)雨ヶ池、 (14:22)長者原着
 

2009年10月13日火曜日

陰の季節


陰の季節(横山秀夫著)文春文庫 

 7月に同じ著者の「第三の時効」を読んで、彼のD県警シリーズの第一弾として、この「陰の季節」があることを知った。これは、警察の警務課という管理部門の警視が主役ということで、是非とも読んでみたいと思っていた。私自身の仕事も人事・労務管理部門が長かったということもあるので、どのような展開でミステリーに仕立てるのかとても興味があった。

 なかなか面白く読めました。人事の苦労が事件とどのように関係していくのか、経験しなくてはわからないようなことも書いてあるし、人事の悲哀もある。

 事件そのものとその解決に至る道筋には、ちょっと飛躍やご都合が見られるのが惜しい。

 が、まあ管理部門を主役とすると、このような展開も仕方ないのかなとも思えるし、短編集という制約もあるかもしれない。

 それにしても、松本清張賞受賞というのは、ちょっと儲けものではとも思います。

 気楽に読める短編集です。

 

2009年10月12日月曜日

いつもの宝満山




 せっかくの連休なのに、風邪気味で土日はおとなしく家で音楽を聴いていました。聴いたのは、サッチモとワーグナーですが、それはまた後日。


 今日は、まだ喉が痛かったけど、あまりの好天にさすがに山に登りたくなった。そんな時にはいつもの宝満山です。


 正午前に家をでて、竈神社の上の林道に車を停めて登り始めたのが十二時半。前回の正面登山道の崩壊箇所は、きちんと補修されておりました。で、一年半ぶりに「羅漢めぐり」のほうへ足を延ばした。「羅漢めぐり」の名称の由来は、登山道のあちこちの脇にたくさんの羅漢が置かれているところからでしょうか。これについては、「2008.1.26」の日記に書きました。


 この道には、また修行僧などの修行窟がいくつかあるのですが、その中でも有名なのが「伝教大師窟」です。登山道からは、ちょっとだけ、といっても1、2分だけ外れて登ったところにある窟(案内版もあります)です。伝教大師(最澄)が中国に渡る(804年)前に宝満山で修行した時の窟だそうですが、狭い小さなものだ。


 羅漢めぐりは、いったん、ぐんぐん下ってから登るので、山頂へは正面登山道を登るより30分ほど余計にかかるので、登山者は少ないのですが、自然がいっぱいだし、変化があるいいコースだと思います。


 山頂で昼食をとったあとは、正面登山道を下るのですが、袖すり岩のところから、崖をよじ登ってちょっとだけ寄り道した。亀岩や竈岩のあるピークです。亀岩はなるほどカメが立ち上がったように見えるし、竈岩は、三つの岩がまるで竈に使えるかのように配置されている(自然の配置)。


 その一つに、福岡では有名な仙厓和尚の書いた「仙竈」という文字が刻まれている。見事な字です。 そんな寄り道をしながら下山した時には、喉の痛みもすっかり軽くなっていたから、やはり汗をかいたのがよかったのだろうか。


(12:25)正面登山道竈神社上林道に駐車、


(13:20)羅漢めぐり入口、 (14:03)宝満山山頂、昼食


(14:30)下山、竈岩まわり、 (15:18)駐車場所に戻る


2009年10月7日水曜日

ハロー、サッチモ!


ハロー、サッチモ!~ミレニアム・ベスト

ルイ・アームストロング

 何気なくかけたこのCDに、思わず聴き入ってしまった。

 特に2曲目に入っている超有名な「この素晴らしき世界」は、歌詞の内容は明るく美しい世界を賛美しているのに、何故かとても悲しくなってしまって、落涙しそうになった。

 このCDは、たぶん日本で編集したのだろうけど、サッチモの有名なボーカルがてんこ盛りで、ジャズというより、もはやポピュラーといっていいだろう。

 ちょいと疲れた時には、癒されるような一枚である。

2009年10月4日日曜日

浅間山


 3日土曜日は、朝日会の10月例会で、浅間山(あさまやま 831.5m)に登った。浅間山といっても、長野、群馬に聳えるあの日本百名山の山ではなく、福岡県東峰村にある低山である。

 山と渓谷社の「福岡県の山」にも紹介がなく、近頃まではほとんど登る人もいなかったという静かな山です。が、自然いっぱいのなかなかいい山でした。

 福岡やぶこぎ探検隊の滝澤昭正氏が「福岡県無名山301」(西日本新聞社)という本で「とびきりの無名山」として紹介されてから、だんだんと人気が出たきた山である。

 現在では、JR筑前岩屋駅からの案内表示もされていて登りやすくなっている。林道を車で少し登った所に登山口があるが、登山口までの道はややわかりにくいかもしれない。

 登山口をはいると、いきなりきれいな滝が歓迎してくれる。この滝の右側を巻いて登ると滝の上部に出て、あとは右への尾根ルートと大きな岩に挟まれた谷ルートに分かれる。

 今回僕らがとった、登り尾根ルート、下り谷ルートが多分歩きやすいのではないかと思います。

 尾根ルートは、急な尾根をひたすら山頂を目指し登り続けるということになる。一時間足らずではあるが、結構急な登りである。

 長方形の山頂は、10人もいれば満員状態になるほどの狭い山頂であり、現在では樹木が茂り、展望を妨げている。

 下山は、登ってきたのと反対側に下る。いったん急降下してまた登り返すと、小さなピークの上で、岳滅鬼山への縦走路と左へ谷コースへの下りとの分岐となる。しばらく山あいの静かな緩やかな道を下るとだんだんかれ沢から水の流れる谷へと下っていく。

 随所に炭焼き窯のあとがある、変化のある面白い道である。

 大きな岩の手前で、土石流の跡が目につくと、やがて尾根コースと合流する。

 上り下りとも1時間程度の歩きで、程よい疲れのいい山歩きであった。

 東峰村保健福祉センター「いずみ館」の風呂で汗を流し、岩屋キャンプ場に泊まる。

 翌日は、学校の跡を利用した「ほうしゅ楽舎」で田舎料理の昼食をとり帰宅しました。

(10:08)登山口発、尾根コース (11:14)浅間山山頂、昼食、

(11:44)下山、谷コースへ、 (12:56)登山口着

2009年9月30日水曜日

チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」


チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」
カラヤン指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(64年録音)
          ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(84年録音)
 元来、快楽主義的な傾向のある私のことですから、時には、美しく哀しい音楽に思い切り浸りたい時がある。今夜はそんな時だった。
 そんな時には、今のところやはりチャイコフスキーの「悲愴」を聴きたくなる。
 近頃では「悲愴」はムラヴィンスキーのばかり聴いているけれど、今夜は若い頃よく聴いていたカラヤンとベルリンフィルの64年録音盤(レコード)を聴いて、同じカラヤンとウィーンフィルのを聴いた。
 ベルリンフィルのは、壮年のカラヤンの、強く、凛とした感じが伝わるし、ウィーンフィルのは、もう晩年のカラヤンの、哀愁が深く伝わってくるような感じを受けました。
 どちらのカラヤンの「悲愴」も、今宵も、センチメンタルな感情を満足させ、美しい音楽に心身ともどっぷりと浸ることのできる素晴らしい音楽であった。名曲ですねえ。

2009年9月28日月曜日

太陽を曳く馬

太陽を曳く馬(上、下)(髙村 薫)新潮社 
 上巻の帯に、合田雄一郎という名が見えた。髙村薫さんが創りだした警視庁の刑事だ。彼が主人公の推理小説で僕が読んだのは、「マークスの山」(1993年)、「照柿」(1995年)そして「レディ・ジョーカー」(1998年)の三冊である。いずれも重厚な物語であるが、推理小説として十分面白く、僕は合田刑事が好きであった。
 「レディ・ジョーカー」で、合田刑事のシリーズは一応完結したかなという感じを持っていたのだが、その彼が10年以上もたって突然復活したのだから「オオッツ!」と思って上下巻大枚3,600円を払った。
 期待して読み始めたのだが、難解なことこのうえない。髙村さんの文章は、わかりやすいのだが、内容は哲学的、精神分析学的、宗教学的なもので、そういった方面に素養がなく、またあまり興味が持てない(あえて持たない)僕にとっては、理解が困難なページが連続する。
 事件の進展などはほとんどなく、心理的推理中心の難解な会話ばかりで、読み上げるのに一月以上もかかってしまった。
 この本は、はたして推理小説なのだろうか。僕はそう思って購入し、読んだのだが、もはやエンターテイメントとしての推理小説の域はほるかに超えている。読んでいてもちっとも楽しくなかった。理解しながら読み進もうと思えば思うほど苦痛になった。
 これは、もう推理小説ではない。
 みなさんはどんな感想なんだろうか。
 髙村さんの小説は、僕は上記の四冊しか読んだことがないけれど、この「太陽を曳く馬」のもう一人の主人公ともいうべき「福澤影之」を主人公とした小説が、「晴子情歌」と「新リア王」との二冊あるという。そして今度のこの小説がその三部作としての三冊目にもなるとか。
 なるほど、それが下巻の帯の文章「福澤一族百年の物語、終幕へ」になるのか。
 髙村さんの小説が好きな人には、じっくり読めて、たまらなく深く、面白いものであるに違いないが、僕みたいなエンタメ推理小説ファンにはちょっと重たすぎる小説でした。

アルプス交響曲追記

 僕は、個人的にはアルプス交響曲を「ウルトラセブン交響曲」と言ったりします。理由は、曲を聴いたらすぐにわかると思いますが。余計なことですが、毎回思うので。

アルプス交響曲


リヒャルト・シュトラウス アルプス交響曲作品64

カラヤン指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 山から帰ってきてふと思い出したのがこの曲。このレコードを買った頃は、登山には全く興味がなかった。録音がすごいという評価だったから買ったような記憶がある。

 今改めて聴いてみると、とても美しい響きの雄大な曲である。

 一人の登山者が夜明けから山に登り、下山するまでの景観を描写した音楽で、「夜」から始まり、「日の出」「登山」「森に入る」などの表題がついている。「頂上にて」などは、はるかに広がる地平がまるで目に見えるような感じで、雄大の一語につきる。「雷雨と嵐」のシーンでは、そのための楽器まで作ったというから念がいっている。

 今日は、目をつむって聴いていたが、あまりにも雄大だったりで、日本の山とは、ちょっと違った感じを受けました。

 描写音楽としては、ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」が有名だが、聴き比べてみるのも面白いと思います。

2009年9月27日日曜日

蓼科山、霧ヶ峰、美ヶ原




蓼科山(たてしなやま 2,530m)


霧ヶ峰(きりがみね 最高点は車山 1,925m)


美ヶ原(うつくしがはら 最高点は王ヶ頭 2,034m)
 八ヶ岳から下山して、茅野市の友人の別荘に泊めていただいた翌日22日は、友人が蓼科山まで同行してくれることとなった。


 蓼科山は、八ヶ岳山塊の北端に位置し、その美しい姿から「諏訪富士」とも呼ばれているようである。もちろん深田久弥さんの日本百名山の1峰である。


 あいにくの雲空であったが、友人の同行で、気持よく登ることができた。


 登山口は、白樺湖から車で行け、一番短時間で登ることができる7合目登山口である。大勢の登山で賑わうところである。


 登り始めは、気持のいい自然林の中であるが、将軍平の蓼科山荘を過ぎてからは、全てが岩歩きである。大きな岩がゴロゴロ、ゴツゴツしている上を、足をくじかないように注意して登る。


 山頂も岩石だけの殺風景なもので、ガスってよく見えなかったが、中央部が少し低くなって、真中に小さな社があるみたいだった。


 晴れていれば展望はいいのだろうが、何も見えず。友人が持ってきてくれた温かいミルクティーを飲んで下山した。山の中腹では、既に紅葉が始まっていた。


 登山口で、友人と別れ、僕はそのまま、百名山二山の頂を踏むため霧ヶ峰方面に。


 さすがにガスっているせいか、連休というのに車が少ない。車山の肩の駐車場もまだ余裕があった。 霧ヶ峰もその次に行く美ヶ原も深田氏によれば「登る山」ではなく、「遊ぶ山」なのだそうだが、時間のない僕にとっては、「山頂を踏む山」であった。高原の中の広い道をゆったりと登ればいつの間にか、大きな建物の建つ車山の頂に着く。登山という感じはまったくしない。ガスの中にもかかわらず、たくさんの観光客で賑わっており、ザックをしょって歩くのが恥ずかしいくらいだった。


 車山の肩に戻り、レストランで昼食を済ませて、本日の最終目的地美ヶ原を目指す。晴れていてばいいドライブコースなのであろうが、雲では周りの景色も楽しめない。


 美ヶ原高原ホテルの駐車場に車を停め、美ヶ原の最高点王ヶ頭から王ヶ鼻まであわただしく往復した。晴天であれば、ゆったりとした高原を楽しめたであろうになと思ったり、地元九州の九重高原や霧島高原も負けていないなとか思ったりして駆け足気味の往復となった。


 これがいけなかった。駐車場まであと1キロというところで左足の裏に痛みを感じた。しまった、豆を作ってしまったみたいだ。普段から登山以外では長時間歩くことが少ないから、足裏がすっかりやわになっている。


 高原ホテルに宿を求めて、風呂につかりながら足裏を観察したら、やはり大きな豆ができていた。


 ということで、後半のメインであった南アルプス仙丈ヶ岳と甲斐駒ケ岳は幻となった。無理をしないことが信条であるから、これでよしとしようとは思うけれど、やはり悔しい。


 よし、次は両山と御嶽を登ろうと決めて、帰路についた。


(6:55)蓼科山7合目登山口、 (8:08)将軍平蓼科山荘、 


(8:40-9:00)蓼科山山頂、 (10:03)7合目登山口、


(10:58)ビーナスライン車山肩登山口、 (11:24-40)車山山頂、 (12:01)車山肩、


(13:23)美ヶ原高原ホテル発、 (13:57)王ヶ頭、 (14:18)王ヶ鼻、 


(15:20)美ヶ原高原ホテル着 泊

2009年9月26日土曜日

八ヶ岳





八ヶ岳(やつがたけ 主峰は赤岳)
 硫黄岳(いおうだけ 2,760m)
 横岳(よこだけ 2,829m)
 赤岳(あかだけ 2,899m)
 阿弥陀岳(あみだだけ 2,805m)

 シルバーウィークを利用して八ヶ岳などを登ってきました。

 往復は自家用車で、走行距離はしめて2,155kmでした。高速代は4,600円。往きが2,100円で、不思議なことに同じ道だったはずなのに、帰りは2,500円でした。

 19日に茅野市着、車で入れる美濃戸山荘に宿泊し、20日に北沢から硫黄岳に登り、横岳の岩場を縦走し、赤岳天望荘に宿泊した。当初は、長距離運転の疲れもあるかもしれないので、安全をとって硫黄岳山荘に予約を入れていた。ところが登りがとても楽で、10時には硫黄岳に着いてしまった。

 そこで、硫黄岳山荘はキャンセルしていったん赤岳展望荘まで進むこととし、余裕があれば赤岳山頂小屋まで登ることとした。

 天気はめったにないくらいの快晴で、硫黄岳からの眺めはとても素晴らしい。硫黄岳の噴火口の跡は、覗き込むのが怖いくらいだ。これから進む横岳や赤岳の山並みがみごとである。

 横岳を縦走するところが、今回では一番危険な個所で、確かに両脇が切れ落ちたナイフリッジは、天候が悪ければちょっと怖い個所だ。だが、きちんと鎖が張ってあるし、天気は上々なので、ゆっくり歩けば心配ない。

 横岳の山頂からの眺めは、これまた素晴らしい。僕の山登りの中でも指折りのシーンであった。北アルプスの立山連峰や槍ヶ岳から大キレットを経て穂高の山々、中央アルプス、南アルプス、乗鞍岳、御嶽などが見渡せるし、富士山もこぶのない端正な姿ですくっと立っている。感動モノでした。
 天望荘にも12時半には着いてしまったので、赤岳天望荘から山頂小屋に電話を入れて、宿泊をしたい旨頼んだが、既に布団一枚に二人の状態だからと断られた。

 天望荘のほうも予約で満杯であったが、直前にキャンセルがあり、僕が泊まることができてまことに幸運であった。山小屋は、避難小屋的な意味もあり、本来は予約がなくても泊まることができるのであろうが、客の快適さの要求から、最近では予約なしには泊めなくなってきているようだ。事前によく調べて、必ず予約をしておいたほうがいい。こうなってくると、いざとなればキャンセルすることで、ダブル予約ということにもなろうか。考えないといけない。

 そういうわけで、幸運にも泊まることができた天望荘ではあるが、一人の宿泊スペースは幅50センチ程度のぎゅうぎゅう詰め、蒲団の代わりに寝袋が置いてある。まあ、このほうが個人のスペースがはっきりするからとか。

 ということで、夜はいびきを耳のすぐ横で聞くこととなったので、夜明けまでほとんど寝たという自覚はなかった。

 翌21日も快晴。ご来光が美しい。
 赤岳への登りは、とても急で、見上げるとずるずる滑り落ちそうに見える。小石の多い岩肌をジグザグに登るのだが、急なので要所要所には鎖が張ってあり、安全に登ることができる。何もなければ、ちょっと用心しないといけないような登りである。

 赤岳山頂小屋を過ぎると、山頂はすぐである。ここも360度の展望で素晴らしい。正面からは富士山の端正な姿が飛び込む。
 しばらく休憩して、中岳から阿弥陀岳に登ることとする。急降下して急登するコース。ちょっとためらったが、まあ、時間はたっぷりある。ゆっくりいけばいい。

 中岳のコルにザックをデポしてカメラだけを持って阿弥陀岳に登る。こコルからは、空身で片道20分の登りだ。
 中岳のコルに戻って中岳道を下れば、すぐに行者小屋で、そこからは南沢コースで美濃戸山荘に戻る。この南沢コースは、途中までは平坦な歩きやすい道であったが、すぐに岩ゴロゴロの下りとなり、延々と続くような感じがしてくたびれた。

 美濃戸山荘で、昼食をとり、駐車していた車に乗って八ヶ岳山荘まで下り、汗を流し(500円)、今夜泊めてもらうこととなっている、いずみ平に住む友人の別荘に向かう。翌日のことは、また。

20日
(6:30)美濃戸山荘発、 (8:05-15)赤岳鉱泉、 (10:03-20)硫黄岳、昼食、 
(11:21)横岳、 (12:36)赤岳天望荘、泊
21日
(6:00)赤岳天望荘発、 (6:30-45)赤岳山頂、(7:30)中岳、 (7:43)中岳のコル、
(8:02-07)阿弥陀岳、 (8:27-35)中岳のコル、 (9:08-13)行者小屋、 
(10:41)美濃戸山荘着

2009年9月13日日曜日

宝満山正面登山道


 今週末から八ヶ岳、南アルプス方面に登ろうと計画中ですが、今日はそのための鍛錬登山。といってもいつもの宝満山です。

 正面登山道からは、久し振りでした。車を林道わきに置いて登り始めたら、すぐに登山道が大崩落となっている。登山道として通れないことはないが、車が通れるほど広い登山道が8割くらい崩落している。たぶん先日の高速道路も崩落したあの大雨の時に崩れたのであろう。自然の力は恐ろしい。

 そんな事とは関係なしに、宝満山は初秋の天気に誘われたハイカーたちで大賑わいでした。

(11:25)竈神社上林道発、 (12:35)宝満山山頂、昼食、

(13:04)下山、 (13:44)林道に戻る

火天の城


 朝からの雨で、山登りは中止。散髪と映画に振り向けた。

 久しぶりの映画は、宮大工岡部又右衛門が信長の命で安土城を築城する物語。山本兼一の原作は、第11回松本清張賞を受賞したというから、ミステリータッチかなと思ったが、全く違いました。

 大工の棟梁が様々な人々の支えで化け物のような城を築いていく人間の物語。セットには数百万円の檜の柱を使ったり、台湾にまでロケをしたというから大がかりで凝った創りだ。三時間近くの大作であるが、コンピューターグラフィックも使ったあっという間の面白い作品である。

 ただ、熱演の西田敏行ではあるが、僕はミスキャストではないかと思ってしまった。これは、全く僕の独断だが、高倉健に主演させてみたかった。

2009年9月6日日曜日

倉木山



倉木山(くらきやま 1160m) 

 朝日会の9月例会は、大分県由布院の倉木山に登り、別府に宿泊した。

 倉木山は、由布岳の南にあるなだらかな山で、山頂からは、由布岳の雄大な姿が楽しめるハイキングの山である。旧版の九州百名山(山と渓谷社)には百名山として入っていたが、新版の九州百名山からは落ちている。登山の対象としては、あまりにも簡単だし、これといった特徴もない山だからだろうか。

 由布院の街から国道210号線を由布岳登山口のほうに登る途中から右に細い舗装道路を登っていく。舗装が切れたすぐ先の左に車数台が駐車できるスペースがあり、その先右に登山口がある。

 舗装された林道を少しだけ進むと小さな広場があり、そこからが山道となる。直登コースと巻き道があるが、右に巻き道を進む。

 直登コースは、藪の中の急坂で、最初にこの山に登った時は、下山コースに使ったが、雨の後でズルズルと滑り難儀した記憶がある。
 巻き道コースは、逆に全く緩やかな歩きやすい道ばかりで、登山をするという雰囲気は全くない。全くのハイキングコースである。名前はよく知らないけれど、たくさんの種類の花も咲いており、気分よく歩くことができた。ゆっくり1時間程で山頂である。
 朝日会のメンバーも、ここはアラカン百名山に推薦するとの声も。

 山頂ではあいにくの雲空で、この山の売りとなっている雄大な由布岳の姿も全く見ることができなかった。

 下山後は、彩岳館の温泉で汗を流し、別府鉄輪にある友人の別荘へ。
 いつものとおりの酒と麻雀に興じた。ついてなかったな~。

 翌日は、「かんぽの宿別府」の湯につかって帰宅した。

(10:15)登山口発、 (11:17)倉木山山頂、昼食
(11:50)下山、 (12:44)登山口着



2009年9月3日木曜日

バードランドの子守歌


バードランドの子守歌 クリス・コナー(VO.)

 ここのところ忙しくて、ろくに新聞にも目を通していなかったが、昨日の夕刊にクリス・コナーがガンで8月29日に亡くなっていたと載っていました。81歳だったとのこと。

 クリス・コナーは、白人のジャズシンガーで、僕も好きな歌い手でした。そのちょっぴりハスキーな声で、素直にまっすぐな歌唱はリラックスして聴くことができます。よくスイングしていて、とても楽しくて聴きやすい唄い方だと思います。

 このCDは、アルバムの表題となっている「バードランドの子守歌」を聴きたくて買った一枚ですが、どの曲もとてもいいです。特に2曲目の「WHAT IS THERE TO SAY」は、大好きです。

 今夜は、冥福を祈りながら聴きました。

2009年8月28日金曜日

福岡チャリティ歌舞伎


 昨夜は、博多座で行われた福岡チャリティ歌舞伎を観にいってきました。歌舞伎が特に好きなわけでもありませんが、観ればいつも面白いと思います。 今回は、福岡経済界のトップたちによる素人歌舞伎で、昨年に続き2回目ということでした。友人がその素人として参加しているので、出かけたわけです。 九電の松尾会長の弁慶役をはじめ、みなさんなかなかの熱演で、とても面白い催しでした。 福岡の経済や都市の規模が、こういった催しをやるのに最適なものだからこその実現でしょう。 文化や共生社会といったものを経済界が支えているといった意識を共有するためにも、このような催しが続けられることを願っています。 まあ、しかし、観客にいかにも中洲の高級クラブのママさんらしい人が多かったのは御愛嬌ですかね。

2009年8月24日月曜日

ひまわり


 日曜日、所用で九重高原に出かけました。登山じゃなくて残念でしたが、帰路にひまわりの群生地があり思わず車を停めて写真を撮りました。

 ひまわりは、子供のころから一番好きな花でした。ゴッホの絵や、映画の「ひまわり」畑は、特に記憶に焼き付いています。

2009年8月20日木曜日

宝満川源流コース







 源流コースといっても、いつものゴールデントライアングルコースです。

 非番だったので、ちょっと登ってきました。先日の豪雨で登山道が崩壊していないだろうかと心配だったので、見回りの山歩き。

 油須原公民館バス停から林道を少し上がって車を停める。登山道は毎年草が深くなっているようである。谷コースの入り口あたりがちょっとだけ渓流の流れが変わっているようだったが、あとは崩壊の個所もなく、いつもと変わらない静かな源流遡行コースである。平日とあって誰一人とも会うことなく三郡山の山頂に立つ。

 途中の立木にツルが巻きついているのが蛇みたいで、大の蛇嫌いの僕としては、蛇ではないとわかっていながらも、離れて通る。ところが、こんどは、道の上にマムシが出現。本日は二回も遭遇しました。

 三郡山から宝満山への縦走路は、さすがに宝満銀座で、たくさんの登山者に会いました。

 宝満山の山頂では、ほんの少しだけではあるけれど、秋の風を感じた気がしました。

(10:23)油須原公民館上林道発、 (11:57)三郡山山頂、昼食、
(12:20)三郡山発、 (13:05-13)宝満山山頂、
(14:05)油須原公民館上林道に戻る



2009年8月13日木曜日

デジタルオーディオ


大人のための新オーディオ鑑賞術(たくきよしみつ著)講談社ブルーバックス

 今また趣味のオーディオが静かなブームになっているようだ。雑誌などにも特集が目につく。団塊世代が退職を迎え、時間的にも経済的にも余裕ができた(?)せいかもしれない。

 僕も、退職したら退職金で、タンノイオートグラフみたいな高級なスピーカーを買ったりしたいなとか思っていた。が、現実は住宅ローンとかを返せば高級オーディオに回せるお金は無くて、まあ夢に終わりそうだけど。

 だけど未練があるから、こういった本に手が伸びる。

 CDからリッピング(意味がよくわかりませんが)したものをパソコンから無線で飛ばし、パワーアンプで鳴らすというのが、デジタル時代の効率的なオーディオ術ということであるらしく、なるほどと思うのでありますが、少しややこしくて、おじさんには勉強が必要です。

 しかし、少ない予算でいい音が聴けるみたいで魅力的な話ではあります。

2009年8月11日火曜日

ヴェルディのレクイエム


 ヴィデオテープの整理をしていたら、こんなヴィデオが出てきたので、思わず全部見てしまった。

 カラヤンの指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団で、プライス(ソプラノ)、コソット(メゾ)、パヴァロッティ(テノール)、ギャウロフ(バス)をソリストに豪華絢爛たる演出のレクイエムである。ソリストはプライスの余裕、コソットの気品、ギャウロフの気迫、文句なしに輝いているし、何よりも映像にこだわったカラヤンの指揮をする姿が美しい。それに、なんと、髭のないパヴァロッティが美しい歌声を響かせている。一見の価値のあるヴィデオだと思います。現在はDVDで販売されているようです。

 ところで、レクイエムといえば、やはりモーツァルトやフォーレのが有名ですが、僕はやはりこのヴェルディのが一番好きです。これは、レクイエムらしくない、ヴェルディオペラの断片集だとかいう人もいるようですが、聴いていて楽しめるのはやはりこのヴェルディのレクイエムです。第二曲の「怒りの日」は、エヴァンゲリオンのCMでも使われたとか。

 僕は、いつもは、同じカラヤンとベルリンフィルで大好きなフレーニのCDで楽しんでいます。レクイエムを楽しんでいますと言うのは不謹慎かな? 

2009年8月8日土曜日

御前岳、釈迦岳










御前岳(ごぜんだけ 1209m)、釈迦岳(しゃかだけ 1229.5m) 


 久しぶりの山仲間との山行である。腰の不安もあるので、この程度で我慢してもらった。しかし、なんてったって福岡県第1位と第2位の標高の山である。


 僕個人としては、ここは昨年3月以来である。それに、ここは、たいていは雪のある冬場か初春だけれど、今回は真夏、さぞ暑いかなと思っていたが、どうやらそれほどのことはなかった。自然林と渓流が、暑さから守ってくれる。それにしても、アブやブヨの多いこと。マムシにも遭遇したし。


 コースは、いつもの通り杣の里渓流公園の登山口から御前岳に登り、縦走路から釈迦岳へ。下山路を普賢岳に立ち寄り林道経由で杣の里渓流公園の登山口に戻る周遊コースです。


 下山路には、キツネノカミソリの群落地もあり、楽しい山行であった。最大の収穫は、腰痛が全く出なかったことで、むしろ行く前よりも症状はよくなったようだ。


  下山後は、グリーンピア八女の温泉で汗を流して帰路に就く。あ、ここの温泉の浴場の床は、畳張りでとても気持ちがよかった。


(9:15)杣の里渓流公園側御前岳登山口発、(10:54)御前岳山頂、 


(11:11)御前岳山頂発、 (11:58)釈迦岳山頂、昼食、  (12:30)釈迦岳発、 


(12:37-47)普賢岳、 (13:37)舗装林道(車道)、 (13:36)御前岳登山口着


2009年8月4日火曜日

螻蛄(けら)


螻蛄(けら)(黒川博行著)新潮社
 こういう小説をどのジャンルに整理したらいいのだろうか。最広義のミステリーに入るとは思うけれど、探偵も謎らしい謎もない。
 建築コンサルタントと称する半やくざの主人公二宮と、生粋の極道桑原との珍コンビが活躍するハードボイルド小説とでもいうのか。
 シリーズ化していて、「疫病神」、「国境」、「暗礁」に続く今回が4冊目となる。一作目の「疫病神」から、このコンビは「疫病神コンビ」とも言われている。
 二人の悪人主人公が、めちゃくちゃなことをやっていくのであるが、まあともかく面白いことは、面白い。
 一作目は、産業廃棄物にからむ利権に、二作目は詐欺師を追って北朝鮮に、三作目は大手運送会社のマル暴対策費に金の臭いをかぎつけた桑原と二宮が大活躍。
 今回は、大宗教法人の暗部にくらいついて、ひと儲けしようと大活躍。おとしまえはきっちりとつけましょう。
 コンビの二人のやり取りが、1作目から絶妙でそちらでも笑わせますよ。
 なお、2作目までは新潮文庫に、3作目は、幻冬舎からそれぞれ文庫になっています。

2009年8月2日日曜日

狗留孫山




狗留孫山(くるそんさん 616m)

 朝日会の8月例会は、初めて九州を出た。アラカンは、夏場の山はきついので、観光を主体とした山歩きとなった。僕の腰痛の具合からもちょうどよかった。

 狗留孫山は、山口県下関市にある低山である。歴史の古い、由緒ある修禅寺が中腹にあるので、登る人も多いようだ。ちなみに、狗留孫(クルソン)とは、梵語で「実に妙なる成就」という意味だそうだ。 

 ナビに頼りきりで、小月インターを降りて細い山道をくねくねと登山口にたどりつく。 駐車場からは、きちんと整備された広い参道をゆっくり登る。弘法大使の立像がある急な石段を登ると、修禅寺の本殿がある。今日も行者が行を行っていた。

 山頂への登山道は、その石段の下から右に登り、さらに奥の院への道から左に登る。

 それほど苦労せずに山頂に立つことができる。登山としては、もの足りないが、腰痛も感じないでよかった。 山頂からは、天気がよければ日本海が一望できるようであるが、あいにくの曇り空で、今一つ。 

 下山後は、今回はキャンプではなく、大河内温泉の平田旅館に宿泊。

 翌日は、角島大橋を渡り、角島観光。角島大橋は、本土と島を結ぶ長大な橋で、、映画「ミッションインポシブル」を見ているような感じの美しい橋で、一見の価値がある。しかも無料で通行できるのがうれしい。

(10:57)参道入り口駐車場、 (11:15)修禅寺本院、
(11:48)狗留孫山山頂、昼食、 (12:13)下山、
(12:52)登山口駐車場、


2009年7月23日木曜日

モーツァルト 交響曲第25番


モーツァルト 交響曲第25番ト短調K183

カール・ベーム指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 腰が痛くてむしゃくしゃするのでちょいと悪さをしに寄った。といってもたいしたことはなくて、パチンコです。

 近頃のパチンコはコンピューターのせいで、とても凝った演出になっている。が、それよりも意外だったのは、熱くなるシーンで、なんとモーツァルトの交響曲25番の第1楽章が使われていたことだった。それに先ほどの映画「点の記」でも印象的に使われていたヴィヴァルディの「四季の冬」の曲も。「点の記」の音楽監督池辺さんも真っ青かな。

 それに、僕の記憶では、以前にもパチンコでは、ホルストの「木星」やエルガーの「威風堂々」などが、なかなか効果的に使われていたようだ。

 ということで、帰宅してから改めてモーツァルトの25番を聴いた。僕は、映画「アマデウス」の中でもよく使われていたこの第1楽章がことのほか好きである。

 演奏は、ワルターとウィーンフィルのライブ盤が熱狂的な支持者もおられるなど人気があるようだが、僕はどうもこれはなんだかやたら慌ただしく、忙しく聞こえて、あまり好きではない。若いころからずっと聴いているベームのレコードの方が、ゆったりと、しかし劇的な感じで、モーツァルトを聴いているという感じで、好きである。

  ちなみに演奏時間は、
        第1楽章   第2楽章   第3楽章   第4楽章
ベーム盤   8分30秒  4分51秒  3分43秒  6分29秒
ワルター盤  4分49秒  4分22秒  4分03秒  3分52秒
 となっているが、これだけ差があるのも珍しいのではないだろうか。


2009年7月21日火曜日

第三の時効


第三の時効(横山秀夫)集英社文庫

 富士山から帰ってきて、どうも腰痛がひどくなった。整形外科にも診てもらったが、骨には特段の異常はないようだが、痛みは一向によくならない。梅雨の天気も高温多湿で、私の一番の苦手な時期だ。

 ということで三連休も家でおとなしくしていた。

 で、読んだのがこの「第三の時効」だ。6年前の出版だが、最近テレビで同じ作家の「臨場」がテレビドラマ化されていて、面白かったので、この作家の「最高傑作(帯の池上冬樹氏の評)」というので、読んだ。

 書名になっている「第三の時効」他6編の短編集であるが、主人公等の登場人物は同じ。県警の捜査1課の、異なった強烈なキャラクターの三人の班長が、それぞれメインの捜査官として事件を解決導く。 

 多少無理はあるものの、日本の警察もの推理小説としては、めずらしくスカッとしている。なかなか巧いプロットで洒落た鮮やかな解決に導く、面白くていい小説だ。

 続編も出ているようなので読んでみたい。 

2009年7月14日火曜日

ロマン派の交響曲


ロマン派の交響曲(金聖響、玉木正之著)講談社現代新書

 やはりこのお二人による「ベートーヴェンの交響曲」に続く、交響曲の分析・解説本の第二弾である。  

 前著が、大変面白く、僕ら音楽理論の素人にもわかりやすくベートーヴェンの交響曲の成り立ちを解説したもので、音楽を聴く楽しみを倍増させるものであったので、他の作曲家のものもと望んでいた。 

 やはりそういう音楽ファンが多かったのか、さっそく第二弾を出していただいた。

 今度のも楽しんで読むことができた。今度のは、多様な、いわゆる「ロマン派」といわれる作曲家をひとまとめにして、その交響曲について解説したものであるが、多くの曲を分析するので、一つひとつの曲については、総じて前著ほど詳しくは曲の構造等についての解説は少なくなっている。

 むしろその曲の作られた背景やエピソードのほうが多くなっているようである。

 それでも、読んでいると、これらの作曲家のほとんど聴いたことのなかった曲についても、ぜひとも聴いてみたいと思わせるような興味深い解説で、とても楽しめた。

 おかげで、またCDを数枚購入してしまった。

 第三弾もぜひとも出されるよう期待したい。

2009年7月13日月曜日

富士山 なんちゃって山頂




 ついに富士山山頂に立つ。
 先週金曜日10日、11日と先月に続き二度目の富士山に挑戦しました。

 勿論、梅雨明けの大混雑を避けての挑戦です。ただ、今回は強力な助っ人とがいました。ミクシーでの友人と一緒の登山となりました。

 天気も、天気予報の雨を覚悟していたのですが、望外の好天気となりました。
 9日の夜の最終便で上京し新宿に泊まり、翌日10日、中央高速バスで河口湖駅まで行き、そこでマイミクと合流し、河口湖口五合目まで車で富士スバルラインを登る。

 その日のうちに7合目まで登り東洋館に泊まる。ここまでは特に何の問題も無かった。天気も雲が多いものの晴れ間が見える。

 前回の高山病に懲りて、特効薬の「ダイアモックス」を処方して貰い、10日の朝から予防的服用し、スローペースで登った。どちらの効果かはわからないけれど、おかげで今回は高山病の兆候も無く登ることができた。

 翌11日は、夜明け前3時に起床してヘッドランプを点して山頂をめざす。心配した天気も上々で、登山道の残雪も無くそこらへんは全く問題なかった。

 問題は、強風であった。風が強くて吹き飛ばされそうになるし、ともかく寒い。

 東洋館からの上りは、まずは手強い岩場から始まる。まだ寝起きの体には相当こたえる。寒さに耐え切れず、普段は、九州であれば冬山でも半袖でも平気な私も、長袖の重ね着をした上に、とうとう防寒着の代わりに雨具を着込んでの登山となった。

 それにしても、きつかった。ゆっくりゆっくり登ったのに、息切れがして度々立ち止まり深呼吸をしながら登った。さすがは日本一の高山である。途中、何人もの人たちが疲れて座り込んだり、寝込んだりしていた。僕の登山歴の中でも何番目かのきつい登山であった。でも、最後はあっけなく河口湖口の山頂に飛び出る。東洋館を出て役3時間で山頂だ。

 山頂の浅間大社にお参りし、隣の山口屋で朝食の熱いうどんを食べ、一休みし、剣が峰を目指そうとしたが、風がとても強い。満足に立っていることもできない位の強風である。先に行った人たちが引き返してくる。とても這っても進めないくらいだという。大分逡巡したが、いさぎよく諦めて下山することとした。

 それぞれの登山口の山頂は、「なんちゃって山頂」とかいわれてもいるが、まあ、一応山頂の一部を踏んだのだから今回はよしとしよう。

 下山は、ブルドーザー道をつづら折に下る。あっという間の下山道であった。

 これで、僕の富士山登山は一応終わりとなる。いつかは剣が峰を踏みたいという気持ちはあるが、そう何度でも登りたくなるような山ではない。富士山は、やはり眺める山だと思う。

10日
(13:18)河口湖口5合目発、 (15:26)7合目東洋館着 泊
11日
(3:22)7合目東洋館発、 (6:25)河口湖口山頂着、
(7:06)下山開始、 (10:15)河口湖口5合目着


2009年7月6日月曜日

無伴奏チェロ組曲


J.Sバッハ 無伴奏チェロ組曲

パブロ・カザルス(チェロ)

 前回、ドヴォルザークのチェロ協奏曲の時にチェロは地味な楽器だと書いた。でも、あの協奏曲は素晴らしかった。で、チェロといえばやはりこの曲のことにふれないわけにはいかないだろう。

 このカザルスの無伴奏チェロ組曲は、チェロの聖典ととさえいわれるくらいの名盤で、CDの世界遺産ともいわれるくらいの名盤中の名盤である。

 僕の学生時代、まだレコードの時代に、アパートの隣の部屋のヒッピー然とした男が、僕の部屋に飛び込んできて、レコードを買ったがプレーヤーを持たないので、僕のを使わせてくれと一晩僕の部屋を占拠したことがある。彼は、普段は音楽を聴かないのだそうだが、このLPはあまりにも有名だから聞いてみたくなったとのこと、その他なんか哲学じみたことを一晩中話をしていた。そんなことを懐かしく思い出した。

 でも、この曲を通してじっくりと聴くのはどんな人なんだろう。もちろんチェリストは、聴くだろうけど、一般の音楽好きのどれだけがこの曲を楽しんでいるだろう。

 同じバッハでも、バイオリンの無伴奏や、平均律は、僕も時々は、楽しんで聴いています。特にバイオリンのシャコンヌはあまりにも有名ですね。

 でも、このチェロの無伴奏は、僕は、いつも途中でやめるか寝てしまっている。

 途中でやめる時は、チェロの音が、おっさんの苦悩するうめきに聞こえるし、寝てしまうときは、お経に聞こえるに違いない。

 名曲・名盤なんだろうけど、苦手の一枚です。ヨー・ヨー・マのも聴いたけど同じですね。というか、よけいに眠くなる。

2009年7月4日土曜日

稲星山、鳴子山、白口岳





稲星山(いなほしやま 1774m)
鳴子山(なるこやま 1643m)
白口岳(しらくちだけ 1720m)

 梅雨の中休みの土曜日、登山日和である。出かけないことはない。

 どの山も、九重連山の南端に位置する山で、普段は比較的登山者の少ない頂である。だが、この時期は、例外的にたくさんの登山者が訪れる。6月下旬から咲き始めるオオヤマレンゲの花が目当てだ。
 もちろん僕も今回は花目当て。オオヤマレンゲには、まだ一度も会っていない。近頃のガイドブックに度々紹介されているので、それではというわけである。

 咲いているのは、鳴子山の斜面だが、そこだけではというので、沢水から本山登山道(ほんやまとざんどう=表登山道ともいう。)から鳴子山、稲星山、白口岳と回り、鉾立峠に下り、さらに佐渡窪から鍋割峠、くたみ岐れを通って沢水に戻る周回コース(GreenWalk2009年夏号に紹介がある。)をとることにした。

 9時過ぎに沢水(そうみ)展望台下の駐車スペースに着いたが、既に車で一杯で、やっと1台分のスペースを見つけて停めることができた。

 本山登山道を稲星山のほうに急登し、途中から直接鳴子山のほうへ登る道があるのだが、それを見落として、稲星越に登ってしまった。

 仕方がないので、まず稲星山の頂を踏み、稲星越まで引き返して鳴子山へ登る。途中にお目当てのオオヤマレンゲは咲いているはずなのに、足下ばかり注意しているせいかほとんど見つけることができない。他の登山グループの女性からあそこよと教えていただいてやっとオオヤマレンゲに会うことができた。

 群落があるのかなと想像していたが、そこここにぽつぽつとという感じで咲いていました。まあ、こんなものですかね。でも、一度見ておけばいいか。

 この稲星越からの鳴子山往復は、写真を撮ったり、ちょっと急いで登ったり下ったり引き返したりしたのでとても疲れた。

 白口岳で夏定番の冷やし中華での昼食をとり、鉾立峠への急降下。ロープが張ってあるが、黒土がすべりやすく、一度尻もちをついてお尻が真っ黒。



 佐渡窪は湿地帯だが、普段はそれほど水は多くない。だが、昨日までの大雨で、窪地のほとんどが冠水している。巻き道はあるのだが、木道の上までは水が来ていないので、直進して木道を歩く。
 ところが、木道がくるっと回転して、拍子に僕は背中から水の中に。ああ冷たい。夏でよかった。

 おまけに、登り道まであと数メートルというところで木道が切れており、ジャブジャブと水の中を歩く羽目に。ああ、巻き道を行けばよかった。



 
それでも、お目当てのオオヤマレンゲには会えたし、満足いく山歩きでした。
(9:10)沢水展望台下駐車場所発、 (11:07)稲星越、(11:20-30)稲星山、 
(11:56-12:00)鳴子山、 (12:22)稲星越、 (12:38-52)白口岳、昼食、
(13:23-30)鉾立峠、 (14:28)くたみ岐れ、 (14:48)沢水展望台駐車場所に戻る 



2009年7月3日金曜日

ドヴォルザーク チェロ協奏曲


ドヴォルザーク チェロ協奏曲ロ短調作品104

ピエール・フルニエ(チェロ)

ジョージ・セル(指揮)

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 いつか三大ヴァイオリン協奏曲について、それぞれ「メンコン」、「ブラコン」そして「ベトコン」と呼ばれることがあるそうなと書いたけど、このチェロ協奏曲は、「ドボコン」と呼ばれることがあるとか。

 この曲を聴いたブラームスが、「このような素晴らしいチェロ協奏曲が書けるとわかっていたら私がとっくに書いていたであろうに!」といって悔しがったとかいうのを、何かで読んだ。

 チェロというのは、地味な楽器だと思っていたので、聴いたことがなかったが、そのブラームスの言葉につられて聴いてみた。

 躍動感のある民族色豊かなメロディは、どこか哀調を帯びているが、親しみやすい素晴らしい曲であった。

 CDは、ロストロポーヴィッチとカラヤンのが有名だが、ちょっと間延びした感じがして、僕は今のところは、このフルニエのが上品で締まっていて聴きやすいと思います。

2009年6月26日金曜日

宝満銀座


 宝満銀座とは、宝満山と三郡山との縦走路のことで、いつでもたくさんの登山者で賑わっているからでしょうか。とにかく気持ちのいい縦走路で片道1時間足らず、早い人なら30分の縦走コースです。  

 今日は非番だったので、ゆっくり起きたのだが、梅雨の季節にしては珍しくいい天気だったので久しぶりに三郡山、宝満山のゴールデントライアングルコースに出かけた。

 油須原からの道は、素晴らしい沢コースなのに、アクセスが悪いせいか、登山者が少ない。数年前の豪雨による登山道の崩壊から特に少なくなったようで、踏み跡もだんだんわかりにくくなってきて、初心者の独り歩きには難しいコースとなってきた。

 今日も、途中数回道を間違って引き返したりした。もっとたくさんの人に登られていいコースなのに勿体ないと思います。

 三郡山から縦走路に入ると、平日なのにさすがは宝満銀座、たくさんの登山者とすれ違う。

 富士山リタイア後の初登山だったので、あえてゆっくり歩いたが、気持のいい山歩きであった。

(11:15)油須原林道発、 (13:03)三郡山山頂、昼食、

(13:23)三郡山発、宝満銀座へ、 (14:14)宝満山山頂、

(14:23)宝満山発、宝満銀座を戻り、長崎鼻から油須原方面へ下る、

(15:16)油須原林道着