2009年8月4日火曜日

螻蛄(けら)


螻蛄(けら)(黒川博行著)新潮社
 こういう小説をどのジャンルに整理したらいいのだろうか。最広義のミステリーに入るとは思うけれど、探偵も謎らしい謎もない。
 建築コンサルタントと称する半やくざの主人公二宮と、生粋の極道桑原との珍コンビが活躍するハードボイルド小説とでもいうのか。
 シリーズ化していて、「疫病神」、「国境」、「暗礁」に続く今回が4冊目となる。一作目の「疫病神」から、このコンビは「疫病神コンビ」とも言われている。
 二人の悪人主人公が、めちゃくちゃなことをやっていくのであるが、まあともかく面白いことは、面白い。
 一作目は、産業廃棄物にからむ利権に、二作目は詐欺師を追って北朝鮮に、三作目は大手運送会社のマル暴対策費に金の臭いをかぎつけた桑原と二宮が大活躍。
 今回は、大宗教法人の暗部にくらいついて、ひと儲けしようと大活躍。おとしまえはきっちりとつけましょう。
 コンビの二人のやり取りが、1作目から絶妙でそちらでも笑わせますよ。
 なお、2作目までは新潮文庫に、3作目は、幻冬舎からそれぞれ文庫になっています。

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