陰の季節(横山秀夫著)文春文庫
7月に同じ著者の「第三の時効」を読んで、彼のD県警シリーズの第一弾として、この「陰の季節」があることを知った。これは、警察の警務課という管理部門の警視が主役ということで、是非とも読んでみたいと思っていた。私自身の仕事も人事・労務管理部門が長かったということもあるので、どのような展開でミステリーに仕立てるのかとても興味があった。
なかなか面白く読めました。人事の苦労が事件とどのように関係していくのか、経験しなくてはわからないようなことも書いてあるし、人事の悲哀もある。
事件そのものとその解決に至る道筋には、ちょっと飛躍やご都合が見られるのが惜しい。
が、まあ管理部門を主役とすると、このような展開も仕方ないのかなとも思えるし、短編集という制約もあるかもしれない。
それにしても、松本清張賞受賞というのは、ちょっと儲けものではとも思います。
気楽に読める短編集です。
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