2007年11月25日日曜日

モーツァルト交響曲第40番ト短調K.550

モーツァルト交響曲第40番ト短調K.550(ブルーノ・ワルター指揮 コロンビア交響楽団)
 ずっと若いときの話。
 失恋して街をさまよっていた私の耳に流れてきた甘美なメロディ。傷ついて、滅入ってしまった私の心に同調し、涙を流しているかのように。
 私は、思わず足を止めて聴き入ってしまった。冒頭の有名なメロディです。そのときは、この曲の名前を知りませんでした。クラシックはほとんど聴いたことがなかったからです。でも、このメロディは、それ以来ずっと私の心の中に流れています。
 社会人になって、少しばかり経済的な余裕ができ、クラシック音楽を聴くようになったのは、この曲が流れていたからだと思います。
 ワルターのゆったりとした哀愁に満ちた演奏は、他のレコードでは味わえません。コンサートでの演奏や他のレコードもいくつか聴いたけど、やはりこのレコードが一番好きです。特に第三楽章メヌエットの雄大で威厳のある悲しみは、聴くたびに涙が出そうになります。今夜も今、ちょっと、うるうる。
 私が、最も大切にしている曲とレコードです。

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