2007年11月30日金曜日

犯人に告ぐ


 犯人に告ぐ(雫井脩介著 双葉文庫)

 今、丸善に平積みしてあり、帯に「週刊文春第1位」、「週刊現代第1位」、「傑作大ベストセラー」とあるのに魅かれて購入する。

 過去に誘拐事件で失態を犯し左遷された警視が、児童連続殺人事件に挑む。劇場型捜査というユニークな手法で。

 なるほど、面白い。確かにベストセラーになるだけのことはある。上、下、二冊を一気に読んでしまった。近頃、本を読むスピードがぐっと落ちているのに、珍しいことだ。

 テーマは重苦しいのだが、テンポがいいので、暗くない。次から次へとストーリーが展開し、どうなる!どうなる? と次が読みたくなる。「罠」も周到だし、溜飲が下がる。よくできたエンターテイメントである。

 まあ、果たして現実的にはどうかな、このような行動をとるかな?という面は多々あるけれど、そこは小説。文句なしに面白く読める警察小説である。

 なお、2004年の「このミステリーがすごい!」では、8位にランクされている。

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