2007年11月20日火曜日

日経新聞夕刊からの思わぬ収穫

 と言っても、たいしたことではないのですが。めずらしく日経新聞の夕刊をながめていたら、二つの収穫がありました。いずれも経済面ではなく、コラムと文化欄からというのが、面白い。
 まず一面のコラム「あすへの話題」に、柴田翔さんの名前を発見した。ずっと昔に読んだ、「されどわれらが日々」の作家がお元気でおられる。しかも日経新聞という、当時の作風からはちょっと取り合わせが考えられないメディアに意見を書いていらっしゃることが驚きであった。まあ、いろんな人間の内面を見つめてこられた方であるから、経済の大新聞でもしっかりと主張をしていただきたいと思いました。    
ついでに、「されどわれらが日々」の書評をネットで見ていたら、こんなのが書いてありました。引用していいのかどうかわかりませんが、許していただくこととして引用すると
  「私は、この世代の人々が社会人に成っても持ち続けた屈折した挫折感の様な物にウンザリさせられて来ましたから、この小説に溢れる彼らの挫折感に共感する気持ちには成れません。--作者と登場人物の世代に特有のナルシズムを感じます。--やっぱり、この小説の作者やこの小説の登場人物たちより、第二次世界大戦を戦った日本人の方が立派だなと、今の私は思ひます。」
 この意見には、共感できる部分もありますが、「戦った日本人」が果たして主体的だったか、考えさせられます。
 もうひとつは、うれしい発見。やはり夕刊の最後のページ。「夕刊文化」という欄に、私の好きな作家で、地元在住の「原りょう(りょうは寮のウ冠を取ったもの)」さんの近況を伝えるもの。「愚か者死すべし」を書いて以来なかなか次作を出してくれないなあ、あの時は次は早く出しますとか書いてあったのに、と本屋を覘いては、いつもまだかまだかと首を長くして待っていたのですが。いま、執筆中とかで、面白いものができるとか、主人公の愛車ブルーバードがそろそろ買い替えのときだとか、面白い作品が期待できそうです。彼は、鳥栖のジャズ喫茶で時々ピアノを弾いていらっしゃるとかで、近いうちに鳥栖まで探訪しに行こうかな。

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