2008年1月26日土曜日

宝満山「羅漢めぐり」

 宝満山正面登山道を中宮まで登り、さらに少し進むと大きな岩が現れる。そこが羅漢めぐりへの分岐で、岩に沿ってまっすぐ登ればそのまま正面登山道、左にとれば「羅漢めぐり」の道となる。案内標識は出ているが木に隠れて判りにくい。古びた道ではあるが、しっかりした道なので、迷うことはないだろう。   
 「羅漢」とは、仏教で、悟りを得て人々の尊敬と供養を受ける資格のある人で、小乗仏教では修行者の到達しうる最高位(大辞林)とのことであるが、宝満山には五百の羅漢石仏が安置されたそうである。
 その羅漢石仏がたくさん見られるのがこのコースの名の由来であろう。安置されている羅漢の大半には首が欠けているが、明治の廃仏毀釈で叩き壊されたり、谷に落とされたりしたものを、後日多くの人から助けられて安置されたとのことである(森弘子著「宝満山歴史散歩」葦書房)。

 このコースは、正面登山道をそのまま登る場合より、30分近く余分に時間がかかるため、めったに通る人がいない、静かな道である。
 しかし、道の途中には羅漢のほか、最澄が唐に渡る前に修行した所といわれる「伝教大師窟」などの岩窟があちこちに見られるほか、道の右手には苔むした奇岩がごろごろとして自然一杯のなかなかいい山道であると思う。
 「羅漢めぐり」の道に入るとすぐに右手に「金剛兵衛剣窟」と表示された岩穴がある。「金剛兵衛」とは、蒙古来襲の折、宝満山を守護した山伏らしいが、詳細は不明のようだ。 その窟を過ぎると、道は急降下する。かなり下るので、このまま下山してしまうのではないかと不安になるくらいであるが、下りは20分ほどで、今度は登り返すこととなる。鎖場もある急な道を20分ほどで、宝満山山頂北東の岩壁「稚児落し」の下に出て、山頂に到る。道が、山腹の北西部をまいて登るので、冷たい風があたるのか、いたるところに大きなツララができていた。
 山頂は、風が冷たく、手袋をしていない手がたちまち凍える。おにぎりと、インスタント味噌汁との昼食を摂り、すぐに正面登山道から下山した。

(10:54)竈神社上林道横駐車、 (11:52)羅漢めぐり入り口、
(12:31)宝満山山頂、昼食、
(12:53)正面登山道を下山開始、 (13:40)駐車場所に戻る

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