2008年2月23日土曜日

白口岳

白口岳(しらくちだけ 1720m)
 そろそろマンサクの花が気になる季節だ。昨年は、3月10日に登ったらやや遅かったかなという感じがあったので、ちょっと早すぎるかもしれないとは思ったが、登ってみることとした。
 久住高原の久住南登山口の近くに「沢水(そうみ)キャンプ場」があり、そのすぐ側に「沢水展望台」がある。この横が駐車スペースで、普通車が10台くらいは置ける。 昨年3月は、ここから東に歩き、「くたみ別れ」から鍋割り峠、佐渡窪、鉾立峠、白口岳と登り、稲星越から下って帰ったので、今年はその逆コースを登ろうという計画だ。
 林道を北に少し歩くと、山道となり、すぐに急な登りとなる。登山道には、雪はほとんど見られないが、高度を上げるにつれ、岩と岩の間の残雪が氷結しているようになる。足を滑らせないように慎重に登る。やがて、ほとんど岩場になり、残雪も増えてくる。
 昨年あちこちに咲いていた「マンサク」は、全く見えない。岩場の直登から左にトラバース気味に登るようになる頃には、岩の上の残雪も氷結しており、いよいよ慎重な登りが必要だ。
 稲星越直下あたりでは、雪がとても深くなり、他の登山者のふみ跡は全く見られない状態となった。登り始めの頃は曇りだった天気が徐々に良くなり、辺りがよく見渡せるようになってきたので、方向の見当が付けられるが、登山道はもうほとんど判らないような状態になってきた。ところどころ、黄色のペンキや、整備してある横木などが見られ、登山道から大きく外れていないことが確認でき、安心する。


 稲星越には、「マンサク」の代わりに「樹氷」が待っていてくれた。分岐点に標識が立っているが、周りは一面の雪原で、登山道がどうなっているのか全くわからない状態だ。


 これほどの積雪があるとは、全く想定していなかったので、計画では、まず稲星山に登り、それから分岐まで引き返して、白口岳から鉾立峠に下ることとしていた。


 ところが、すぐ左手に見えるその稲星山の山頂への道が全く判らないのだ。ここらへんが登山道かなと見当を付けて歩いてみるのだが、ズボズボと太ももの上辺りまで雪にのめりこむ。片方の足だけがのめりこむと、そちら側に転倒しそうになってひどく疲れる。ほとんどラッセル状態であちこちうろうろしてみたが、雪が深くなるばかりで、体力を消耗する。覚悟して登れば山頂は見えているのだから、大丈夫なのだが、体力と時間を考え、15分ほどうろうろした後、今回は稲星山はあきらめることとした。


 とは言っても白口岳への道もほとんど判らない状態だ。かすかに雪原に凹みが見えるようなところが道だろうと見当をつけ、歩き出す。これが、またズボズボとめり込む。何回か転倒しながら、20分程でどうにか白口岳山頂に着いた時には、もうヘトヘトになっていた。それに風がやたらと強い。山頂標識は、凍り付いて字が読めなかった。








 数分休憩した後、計画の鉾立峠への道へ踏み出したが、ここもすごい積雪である。鉾立峠からこの白口岳への登りは、九重連山でも最高に急な登りであると聞いているし、確かに昨年登ってきたときはとてもきつかった記憶がある。ということは、下りも最高に急だということだ。思案したが、危険を避けるため、今回は、往路を引き返すことに決断した。単独行だからの慎重さである。


 またまた、ズボズボの雪の中を引き返す。ほんとに大変くたびれるが、今度は自分のふみ跡をたどれるから少しは楽だった。


 期待した「マンサク」は、全く見ることができなかったが、そのかわり美しい樹氷と紺碧の空の下での雪をかぶった美しい九重連山を見ることができて、まあ、良しとしようか。


 ラッセルで普段使わない足の筋肉を使ったせいか、下りの岩場では、足がつりそうになって怖かった。誰一人通らない雪山で動けなくなったら、凍え死ぬ恐れもあるのだから。


 しかし、上りも下りも誰一人登山者と会わなかったが、皆さん、「マンサク」の情報も積雪の情報も持ってらっしゃるのでしょう。私も、もっと情報を得てから登山計画を立てないといけないなと反省した。


(9:46)沢水(そうみ)展望台横駐車場発、 (11:46)稲星越、
(12:02)白口岳へ(12:20)白口岳山頂、 (12:26)白口岳発、往路を戻る。
(12:46)稲星越、 (13:10~27)途中、昼食、 (14:38)沢水展望台横駐車場着

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