昨夜は久しぶりに中洲のスナックで飲んだ。若い頃は、よく中洲に行ったものだ。二次会は、先輩に連れられて、必ずといっていいほど中洲に繰り出した。そして2、3箇所のはしごして、帰りはお絞りを洗っての御前様が決まりだった。勘定は勿論割り勘。
さすがに50歳を過ぎてからはそういうこともなくなった。自分のほうが先輩となり、上司となると、やはりおごる覚悟がないと後輩を誘えないという思いがある。おごる経済力がないから誘わない。そういったことで、自然と中洲には足が遠のいていた。
で、昨夜は、全く数年ぶりの中洲だったが、ビルが新しくなったりで、当時と様子が変わって、どこがどうだったかよくわからずじまいだった。藪そばの美味しいおじやを食べて帰りたかったけどな。
それにしても、中洲の人出は、やはりめだって少なくなっているようだ。まあ、座っただけで、安いところでも5千円以上はとられるから、もったいないよね。CD三枚分だもんね。
2008年4月27日日曜日
ベストミステリー2
ベストミステリー2
3月11日のブログで、ベストミステリー1として、海外の本格ミステリーを10作品あげてみた。
今日は、本格以外で、広義のミステリーの中でとても面白かった海外ものを10作品あげてみる。
・有名な冒頭の文章とカウントダウンのサスペンス小説「幻の女(ウィリアム・アイリッシュ)」、
・追う者と追われる者の知力を尽くした戦いで息もつかせぬ「ジャッカルの日(フレデリック・フォーサイス)」、
・奇妙な短編小説集だが妙に納得する「あなたに似た人(ロアルド・ダール)」、
・終いには主人公になってしまった異常殺人者を登場させブームを作った「羊たちの沈黙(トマス・ハリス)」、
・コン・ゲームの秀作「百万ドルを取り返せ!(ジェフリー・アーチャー)」、
・映画でも大活躍の冒険スパイ活劇の名作「暗殺者(シリーズ)(ロバート・ラドラム)」、
・同じく最近映画化され、射撃の名人が大活躍の「極大射程(シリーズ)(スティーブン・ハンター)、
・抜群のアイデアで不可能を可能に、読後感も爽快「シャドー81(ルシアン・ネイハム)」、
・同名のバーまで作られた冒険小説の傑作「深夜プラス1(ギャビン・ライアル)」、
・そして近頃はマンネリが目立つが、当初は新鮮で大ベストセラーとなった検屍官ケイ・スカーペッタのシリーズ
その他、同程度に面白かったものはたくさんあるし、以上にあげたものもずいぶん前に読んだ時の記憶に頼っているので、今読んで面白いかどうかは自信がない。チャンドラーの「長いお別れ」などは、名作の誉れが高いが、果たして読んで面白いものなのか迷うものもたくさんある。
いずれにしても、こういうのは個人の好き嫌いだから百人百作品だろうけど。
私がミステリーを読み始めたときは、「世界の推理小説総解説(自由国民社)」と「東西ミステリーベスト100(文春文庫)」を参考にしながら、古いものから順に読んだので、次に読むものがアイデア等も新鮮に感じられ、いずれも面白く読めたという記憶がある。
2008年4月26日土曜日
鷹ノ巣山
鷹ノ巣山(たかのすやま 979.3m)
よく晴れている時に、久住山の山頂から英彦山のほうを眺めると、英彦山のすぐ隣に、逆にそれを目印に英彦山を同定するようなとてもよく目立つ三つのピークがある。古い溶岩層の山が侵食されてできたビュートのピークだそうで、大崩山の近くの鹿納坊主と同じようなグンと天に突き立った岩峰である。地元の三郡山からもよく目立ち、登頂意欲をそそる山で、いつかは登りたいと思っていた。
雑誌「山と渓谷」の今月号に、全国隠れ名山の一つとして紹介してあったので、天気が不安であったが、ちょうどいい機会だと出かけた。
英彦山北岳の登山口がある高住神社から国道500号線を少し進み、すぐの分岐を右に100メートル程のところに登山口がある。左手に九州自然歩道の案内板があり右手には登山口の小さな標識がある。自然歩道の案内板の横に3、4台は駐車できる。
登山口から林道に入ったところで、雨が強く降り始めた。天気予報は、「晴れ時々雨」という変な予報であったがしばらく止みそうになかったので雨具を着用した。
林道を5分程登ると、左の林の中に「鷹ノ巣山登山口」の表示があるが、注意していないと見落としてしまいそうだ。
その登山口を林の中へ入っていくと10分もたたないうちにすぐに左手にロープがたらしてある岩場が目に入った。一の岳への案内はなく、ちょっと不安だったが、まあ、ピークへの登りだから間違いないだろうと、取り付く。ほとんど垂直な岩場であるが、足がかりはきちんとあるし、それほど怖い感じはなくあっというまに一の岳山頂に着く。雨が小降りになったので雨具を脱ぐ。やはり雨具はうっとうしい。
山頂から奥に進むと急降下して鞍部に着く。鞍部には巻き道の案内表示があるが、ここは直進し痩せ尾根へ。
ここから二の岳へは、どこを歩いたのか緊張していてよく覚えていない。岩をよじ登り、ロープに助けられて下ったり、ピークをいくつか越えたが、そのうちの一つが二の岳のピークであったろうと思う。山頂の標識は見つけることができなかったが、三の岳までの間の登れるピークは全て登ったと思う。
ミツバツツジが咲き始めていて、楽しませてくれたが、山道は足場の悪い岩場のピークをいくつも越える難路で、雨が降り続いていたら、ちょっと嫌なところだった。
垂直の崖をロープの助けを借りて下り、砂利をコンクリートで固めたような感じの痩せ尾根を途中から右に下ると、三の岳への鞍部に着く。ここにも下山路の巻き道の案内表示がある。目の前には、三の岳がそそり立っている。
右のほうに巻いて奥まで進むと、左手に大きな岩とその先に岩峰への取り付き口が現れる。表示はないが、岩峰の形状からしてここが三の岳ピークへの登り口だろうと推定される。少し登ると、大きな岩の切れ目に太いロープが数本垂らしてあり、ほぼ垂直に登る。
ロープを登りきると、少しで山頂部の端に出る。ここからの眺めはなかなかいい。日が少し差してきたが、天気がもっとよければなあ。
細長い山頂部を西に少し戻る感じでちょいと登りきると、三の岳の山頂に出る。展望はほとんどないが登ってきた二の岳、一の岳の重なりと、さらにその奥に英彦山北岳が覆いかぶさるように聳えている。
下山は、鞍部から巻き道を下る。巻き道は、ちょっと荒れているところもあるが、ほぼ平坦で楽に登山口まで戻ることができた。
一の岳で雨が止んだからよかったけれど、雨が降り続いていたらかなり危険で、登るのを躊躇するかなり厳しい岩場の連続するコースであった。晴れていても、ハイキング気分で登れる山ではないだろう。
しゃくなげ荘の温泉で、汗を流して、緊張をほぐし帰路に着いた。
(9:20)登山口、 (9:51)一の岳山頂、 (10:20)二の岳山頂(多分)、
(10:48)三の岳直下の取り付き口、 (10:56)三の岳山頂、 (11:01)下山、
(11:21)巻き道分岐、 (11:47)登山口
2008年4月20日日曜日
阿蘇山
阿蘇山(あそさん 1592m)
朝日会の4月例会は、日本百名山の一つである阿蘇山に登ることとなった。
阿蘇山は、外輪山と阿蘇五岳(根子岳、高岳、中岳、烏帽子岳、杵島岳)と言われる中央火口丘との総称であり、どこの部分を登れば、踏破したことになるのか気になるところではあるが、一般的には、やはり最高点の高岳(たかだけ 1592m)を登頂することであろうか。ほとんどのガイドブックにもそのコースが紹介されているようだ。
朝日会も、この高岳に挑戦しよう。登山口は、ミヤマキリシマの名所仙酔峡である。
五月になればミヤマキリシマの大群落を目当ての観光客で一杯になる仙酔峡のロープウェイ横の駐車場も、今日はまだ、人はまばらであった。
駐車場の左手から仙酔尾根に取り付く。溶岩が凝固してできた尾根は、一直線に山頂を目指している。ひたすら単調に登るところから、馬鹿尾根とも言われているが、丹沢のそれに比べると段違いに楽ではある。溶岩が凝固した登山道は、急ではあるが、砂礫混じりのガレ場とは違って足場としては滑りがなく、とても歩き易かった。
そのせいか、比較的楽に登頂することができた。そうはいっても、軟弱朝日会にとっては、かなりの試練であったはずだ。めずらしく不平が少ない朝日会登山には、ここは褒めておくべきだろう。
高岳火口壁直下は、かなりの崖になっており、見上げると一瞬どこを登ればいいのか不安になるが、要所には黄色のペンキで案内があり、迷うことなく火口壁まで登ることができる。
ただし、本日は、風がとても強く冷たくて、帽子は飛ばされそいうになるし、下手をすると体ごと運ばれそうになるくらいだった。
火口壁からは、強風の中を右に5分強で簡単に阿蘇最高点の高岳山頂を踏むことができる。高岳からの展望は抜群で、登ってきた仙酔尾根全体を見下ろすことができ、高度感があって素晴らしい。
風を避けながら昼食を済ませて、中岳のほうに向かい、火口展望台、ロープウェイ火口東駅方面に下る。中岳には20分弱で到着。
中岳からは、火口を隔てて烏帽子岳、杵島岳を望むことができる。火口展望台までの道は、さながら月面を歩くようであると何かのガイドブックに書いてあったが、その荒涼たる風景は、一見の価値があろう。私も受け売りで、朝日会の面々に、「どうだね、月面漫歩は。」と聞いてはみたが、勿論、私は月面を歩いたことがないので、本当にそうなのか責任は持てないけれど。
風と戦いながらではあったが、ロープウェイ火口東口駅まで順調にたどり着いたので、ご褒美にここからの下山はロープウェイを利用することとした。駐車場までの登山道を下れば30分から1時間弱くらいかかるが、朝日会には妥協が必要なのだ。
強風のため運行中止となる寸前で、最終下山便の案内が行われていた中、徐行運転で無事仙酔峡まで下ることができた。
近くの温泉アゼリア21で汗を流し、本日の目的地「古代の風キャンプ場」に向かう。
キャンプ場では、例会恒例の行事が滞りなく行われて、翌日まで楽しく過ごしました。
(10:34)仙酔峡駐車場発、 (12:23)火口壁、 (12:30)高岳山頂、 昼食、
(12:51)高岳山頂発、 (13:07)中岳、 (13:36)ロープウェイ火口東口駅、
ロープウェイ約10分で、仙酔峡駐車場着
朝日会の4月例会は、日本百名山の一つである阿蘇山に登ることとなった。
阿蘇山は、外輪山と阿蘇五岳(根子岳、高岳、中岳、烏帽子岳、杵島岳)と言われる中央火口丘との総称であり、どこの部分を登れば、踏破したことになるのか気になるところではあるが、一般的には、やはり最高点の高岳(たかだけ 1592m)を登頂することであろうか。ほとんどのガイドブックにもそのコースが紹介されているようだ。
朝日会も、この高岳に挑戦しよう。登山口は、ミヤマキリシマの名所仙酔峡である。
五月になればミヤマキリシマの大群落を目当ての観光客で一杯になる仙酔峡のロープウェイ横の駐車場も、今日はまだ、人はまばらであった。
駐車場の左手から仙酔尾根に取り付く。溶岩が凝固してできた尾根は、一直線に山頂を目指している。ひたすら単調に登るところから、馬鹿尾根とも言われているが、丹沢のそれに比べると段違いに楽ではある。溶岩が凝固した登山道は、急ではあるが、砂礫混じりのガレ場とは違って足場としては滑りがなく、とても歩き易かった。
そのせいか、比較的楽に登頂することができた。そうはいっても、軟弱朝日会にとっては、かなりの試練であったはずだ。めずらしく不平が少ない朝日会登山には、ここは褒めておくべきだろう。
高岳火口壁直下は、かなりの崖になっており、見上げると一瞬どこを登ればいいのか不安になるが、要所には黄色のペンキで案内があり、迷うことなく火口壁まで登ることができる。
ただし、本日は、風がとても強く冷たくて、帽子は飛ばされそいうになるし、下手をすると体ごと運ばれそうになるくらいだった。
火口壁からは、強風の中を右に5分強で簡単に阿蘇最高点の高岳山頂を踏むことができる。高岳からの展望は抜群で、登ってきた仙酔尾根全体を見下ろすことができ、高度感があって素晴らしい。
風を避けながら昼食を済ませて、中岳のほうに向かい、火口展望台、ロープウェイ火口東駅方面に下る。中岳には20分弱で到着。
中岳からは、火口を隔てて烏帽子岳、杵島岳を望むことができる。火口展望台までの道は、さながら月面を歩くようであると何かのガイドブックに書いてあったが、その荒涼たる風景は、一見の価値があろう。私も受け売りで、朝日会の面々に、「どうだね、月面漫歩は。」と聞いてはみたが、勿論、私は月面を歩いたことがないので、本当にそうなのか責任は持てないけれど。
風と戦いながらではあったが、ロープウェイ火口東口駅まで順調にたどり着いたので、ご褒美にここからの下山はロープウェイを利用することとした。駐車場までの登山道を下れば30分から1時間弱くらいかかるが、朝日会には妥協が必要なのだ。
強風のため運行中止となる寸前で、最終下山便の案内が行われていた中、徐行運転で無事仙酔峡まで下ることができた。
近くの温泉アゼリア21で汗を流し、本日の目的地「古代の風キャンプ場」に向かう。
キャンプ場では、例会恒例の行事が滞りなく行われて、翌日まで楽しく過ごしました。
(10:34)仙酔峡駐車場発、 (12:23)火口壁、 (12:30)高岳山頂、 昼食、
(12:51)高岳山頂発、 (13:07)中岳、 (13:36)ロープウェイ火口東口駅、
ロープウェイ約10分で、仙酔峡駐車場着
2008年4月14日月曜日
山の危険動物
一昨日の可也山から下山途中に、私の大嫌いな蛇に出会った。今年の蛇遭遇第一号である。危険なマムシではなかったけれど、肝を冷やした。もっと夏場になったらある程度警戒しているのだが、今の季節ならまだ出ていないだろうと予測していなかったから、なおさらである。
そこでずっと前に友人に出したメールを思い出したから、ここに書き出す。「山の危険動物」という題名のメールでした。以下そのメール。
山に登る楽しみの一つに、自然のままの動植物を観ることができることがあります。植物は、特に花の季節には、美しく可憐な花々は、大きな喜びを与えてくれます。
が、今日は動物のことについて。北海道や本州の山にはクマがいて、危険ですね。でも九州の山にはそれほど危険な動物はいません。せいぜい、猪くらいですか。僕も二度ほど猪と遭遇しています。
でも猪と出会ってもめったなことで命を落とすことはありませんから、九州の山は、まあ、安心して歩けます。鹿、狸、狐、いたち、山鳩、雉等がいます。雉や山鳩などは、足元から急にバタバタと飛び立って臆病な僕をビックリさせることがありますが、危険はない。
いや、そうだ。いたいた!危険な奴が。
マムシです。九州の山にはやたらとマムシが多い。ちょっとじめじめしたところには、たいてい「マムシに注意」の表示がしてあります。今日も下山途中に、足元をしゅるしゅると動くものがいます。あーっつ、やばい!冬眠前のマムシは特に危ない、と思って慌てて後ずさり。目を凝らしてよくみると、良かった、マムシではなくただのシマヘビでした。
でも、僕は、ヘビが苦手中の苦手なのです。なんとかヘビのほうから逃げてくれたので、そのまま下山道を下るのですが、それ以後は、足元をさらに注意深く見ながらの下山になりました。
ちょっとでも動くものがいると、足を止めます。トカゲが何匹もちょろちょろしては驚かせます。それでも、まあ足元をみながら、調子よくずんずんと下山していたのです。が、思わぬ伏兵が。
下を見つめている我が顔に、急にべとっとして黒い塊がガサゴソ。ギャー!思わず声をあげる。
道の真中に巣を張っていた大きな蜘蛛が、鼻の横から頭に逃げる。仰天して帽子で振り払う。僕は蜘蛛も大嫌いなのです。
人のあまり通らないコースの時には、蜘蛛の巣にも注意しなければなりません。蜘蛛の巣が、顔にべたっとくっつくのはあまり気持のいいものではありません。これだから低山歩きは嫌なのですが、九州の山では仕方の無いことですね。
夏の終わりの変な山行でした。では、また。
ずっと前のメールでした。お粗末。
2008年4月13日日曜日
可也山、立石山
可也山(かやさん 365.1m)、立石山(たていしやま 209.6m)
ずっと前から気になっていた可也山に登ったついでに立石山にも登ったが、立石山からの展望は抜群で、予期しなかった収穫であった。
可也山は、糸島富士とも呼ばれる、糸島半島にある富士山に似た形のいい山で、低山ではあるが一度は登ってみたくなる山だ。近くを通るときは、必ずほれぼれとその美形を眺めたものだ。
福岡県の北西に位置し、玄界灘に突き出た糸島半島までは、都市高速を使えば、我が家から一時間程で行くことができる。前原駅からバスで10分の「小富士」というバス停の近くに海に面して石の大鳥居があり、その近くに駐車スペースがある。鳥居の前をまっすぐ山に向かう道を進むと、右手に「天満宮」という神社がある。そのすぐ向こうを右に登りしばらく進むと十字路があり左折、みかん畑を通り過ぎると、梅林が、さらに右手に納骨堂のある十字路を直進して進むとやがて未舗装の山道となる。すぐに竹林の入り口が現れるが、ここまでがややわかりにくい。
登山道は、石はほとんど見られず土ばかりで、しかもとても急な登りだ。低山と思っていたが、息が切れる。ほとんどのところに、滑り防止のためか、ロープが張られている。下りはこのロープを掴みながら、転げるようにして下山した。雨の日などは、滑って難渋する道であろう。 山頂表示のあるところは、展望がほとんどなく、さらに500mほど先に展望所があり、そこからの玄界灘の展望は抜群である。
さて、急登ではあったものの、時間的には往復1時間半程度で、登山としては物足りない。ついでに、知り合いから展望がとてもいいと聞いていた立石山を登って帰ることとした。
車を芥屋のほうに走らせると15分ほどで、芥屋海水浴場のビーチに着き、海岸の駐車場に車を停める。
海水浴場の一番奥に、休業している芥屋ビーチホテルの建物があり、その正面玄関の左横をすり抜けると、登山口がある。 登山道は、岩場であるが、特に危険なところも難しいところもない。途中に社があり、それを過ぎるとすぐに山頂である。
山頂には、ベンチが二つ置いてあるが、展望は木々に遮られててあまりない。昼食を済ませて、今度は南東のほうへ下る。すぐに展望が開け、左右ともに見事な景色である。正面に可也山が見えるし左手には玄界灘が広がる。大きな望遠レンズで撮影をしていた人が、隼が砂浴びをしていると教えてくれた。とても珍しいことだそうだ。
途中の二箇所のピークからの展望は360度で、本当に見事なものである。低山のハイキングコースで登山としては物足りないが、この展望は是非とも見ておきたところである。大展望に後ろ髪を引かれながら下ると、すぐに車道に出る。左にだらだらと車道を下るのが難点ではあるが、車道歩き30分程で海水浴場の駐車場に戻る。 気になっていた可也山と、ついでのつもりの立石山の望外の素晴らしさに、大満足の糸島半島山歩きであった。
(10:02)小富士バス停大鳥居、 (10:52)可也山山頂、 (10:55)展望所、
(11:01)下山、 (11:33)小富士バス停横大鳥居、車で芥屋海水浴場へ
(12:08)立石山登山口、 (12:30)立石山山頂、昼食、 (13:01)下山、南東方向へ、
(13:42)登山口駐車場所
2008年4月9日水曜日
マーラー 交響曲第9番
マーラー 交響曲第9番
レオナルド・バーンスタイン指揮ベルリン・フィルハーモニー
この4月から再就職をしたので職場がちょっとだけ遠くなってその分早く家を出るようになった。そしてその朝の通勤時にゆっくりFMラジオを聴くのが楽しみの一つになっている。
今朝も、家を出てラジオをつけた。そのとたん、とても美しくて豊穣な音が聴こえてきた。美しいだけでなく魂に響くというか、いつの間にか音楽にどっぷりと引きずり込まれている。なんと魅力的な音楽だろう、誰の何という曲だろう、ブルックナーか、もしかしたらマーラーかと、1時間20分余、とうとう職場に着いてもラジオを放すことができなかった。
それが今まで、何故か聴いたことがなかったマーラーの交響曲第9番だったのだ。感動してしばらく仕事が手に着かなかった。
早速、帰りにCDを買った。放送は、ブーレーズのシカゴ響だったようであるが、買ったのは、まず定評のあるバーンスタインとベルリン・フィルの一期一会版。 ライブ版だそうで、ところどころ咳払いなども入っているが、すごい音楽である。特に第1楽章や第4楽章がいい。第4楽章では、思わず涙が出た。
マーラーの晩年は、死への恐怖感が強く、その反動で、生や愛や美に執着する。生きている幸福をとことん賛美したという。わかるすぎるくらい理解できる。今の私もそんな気持ちになることが多い。
私の愛する曲がまた一つ増えた。
2008年4月5日土曜日
宝満山・法城窟、大南窟
宝満山・法城窟、大南窟
雑誌「岳人」の連載記事に、立松和平氏が登る「百霊峰巡礼」というものがある。
今月号(4月号)のそれが、私の地元の宝満山を取り上げていた。記事に、私のまだ行ったことのない「大南窟」のことが書いてあったので、とても興味深く、どこだろうかと行ってみたくなった。それに「竈門岩」も、普通に正面登山道を登ったのでは、見ることができないので、そのことにもふれたかった。さらには、「大南窟」にいたっては、記事の中ではまったく所在がわからないが、写真の「巨大な磐座」は、是非とも見てみたい。いったいどの辺りにあるのか。
今日の宝満山は、この二つの目的を持って登った。
正面登山道を、八合目まで登ると、八合目の表示がしてあるところから、道が二手に分かれている。右が普通の正面登山道で、ほとんどの登山者はこちらのほうを登る。記事にあった「竈門岩」は、左の石段を登らなくてはいけない。
石段を登ると、正面に大岩が立ちふさがる。といってもたいした高さはなく、せいぜい2~3メートルくらいであろうか。岩の真ん中に切れ目があり、ロープが垂らしてあるので、つかまりながらよじ登るのだが、足場が微妙だし、ザックが邪魔をして登りにくい。非力な女性などは登れないのではなかろうかと心配されるが、なあに、わざわざここを登らなくても左手に巻き道があるので大丈夫だ。最初に来たときに確認はしていたが、今日は、きちんとよじ登りました。
登りきって少し奥の方に進むと、正面に亀が立ち上がったような大岩がそびえ、右手に仙涯和尚の筆になる言われている「仙竈」との文字が刻まれた竈岩がある。
さらに奥に下ると正面登山道に合流し、宝満山の山頂はすぐそこだ。
山頂やキャンプ場には、大会社の新入社員研修とかで大勢が登ってきていた(会社は、九電工だそうで、200人を越える採用だそうでした。景気のいいところはいいのですね。)ので、混雑を避けてキャンプ場から女道を少し下ったところで昼食。
昼食を終え大南窟を目指そうとしていたときに、大ベテランと思しき先達(何故かそうと見えた。)が、通り過ぎようとされたので、「大南窟」の場所を聞いたところ、やはり知っておられた。すらすらと教えていただいたうえ、このすぐ下に「法城窟」があり、こちらも是非見てくださいとのこと。
この「法城窟」は、「宝満山の子宮」と言われていますよ、その上には、「宝満山のペニス」が立っているでしょう、と丁寧に解説もしていただいた。なるほど、窟の真上を見上げると、宝満山山頂の大岩がそそり立っており、いたく感動した。
「法城窟」は、キャンプ場から女道をほんの少し下り、大石への分岐をやり過ごしたところに、右に道がある。古ぼけた標識が立っているが、わかりにくい。踏み跡をたどると、正面右に大杉が入り口を塞ぐようにもたれ掛かっている。窟の中は真っ暗でランプがないと入りにくい。ランプは常時携行しているので、取り出して中に入る。中は、岩場の登りとなっており、奥行き10mほどであろうか。きちんと立ったまま行動できる広さがある。中には首のとれた石仏などが安置されており、ちょっと不気味だ。
女道に引き返してまた少し下るとすぐに、左手に水場があり、それを見ながら女道をさらに3m下れば、左に大谷尾根道への道が分かれる。左折して少し下れば、大谷尾根道への案内があるのでそこを右折する。また少し下れば、右にかもしか新道の案内がある。丸太を斜めに切った跡には、「かもしか新道分かれ」と書かれているので間違いなくそこを右に。
しばらく下ると、かもしか新道とかもしか旧道の分岐に出る。右の急登が新道で、直進して下るのが旧道だ。旧道へ5分程下ったところにそれらしい踏み跡があったが、確信がもてない。「大南窟」へは新道、旧道どちらから行ったがいいのかさえもよくわからないので、もう一度さっきの新道への分岐点まで引き返し、ひとまず右へ新道のほうを登る。
新道は、けっこう急な岩場登りで、登りきって下ってしまったところが、旧道との合流地点になる。ここまであたりを注意していたが、どうやら「大南窟」への入り口はないようだ。
合流地点から今度はかもしか旧道を大谷尾根道へ登り返す。途中、大谷尾根とかもしか新道への分岐点があり、案内は大谷尾根だけが表示してあるが、そこを左折するとかもしか新道への分岐に行く。5分ほど登ったところに、左に、「ほっつき歩記山記録」というホームページで「大南窟」のことが写真で案内してあったとおりの岩とその前の杉が目に入った。表示など何もないが、杉と岩の間に踏み跡があり、先ほど新道旧道の分岐から下ってきて見当を付けていたところだったので、もうここしかないなと今度は確信して左へ踏み跡をたどる。
わりと急な登りではあるが踏み跡は比較的はっきりしており、山慣れた人ならば迷うことはないだろう。10分ほどで、正面に大岩を見上げる。
踏み跡のとおり岩の右側を登り詰めると、ありました。あの「岳人」に掲載されていた写真どおりの巨大な盤座が。まるで「インディ・ジョーンズ」の世界に出てくるような、古代の遺跡みたいな大岩が左に聳えている。やはりこれは見ておかないといけないな。なんとなく荘厳な気分になります。
先に2~3m下った左手が「大南窟」の入り口で、大岩の下にあたるだろう。窟の広さは、「法城窟」の三分の一くらいで、奥は、真っ暗であるがランプを照らすと、岩場がせり上がっており、天井にはこうもりが数匹ぶら下がっていた。
本日の目的を達したので、あとは気分よくかもしか旧道を下り、鳥追峠から林道を下り、竈神社の満開の桜を楽しんで、帰路に着いた。
(10:20)竈神社有料駐車場(400円)、 (11:30)正面登山道八合目、 (11:37)竈門岩頂上、
(11:45)宝満山山頂、 (11:52-12:17)キャンプ場下で昼食、 (12:23-28)法城窟、
(12:33)大谷尾根への分岐、 (13:36)かもしか新道旧道合流地点(下)、
(13:50)大谷尾根とかもしか新道への分岐、 (13:55)大南窟への分岐、 (14:04-19)大南窟、 (14:24)大南窟への分岐、 (14:37)かもしか新道旧道合流地点(下)、
(14:41)鳥追峠、(15:10)竈神社有料駐車場着
雑誌「岳人」の連載記事に、立松和平氏が登る「百霊峰巡礼」というものがある。
今月号(4月号)のそれが、私の地元の宝満山を取り上げていた。記事に、私のまだ行ったことのない「大南窟」のことが書いてあったので、とても興味深く、どこだろうかと行ってみたくなった。それに「竈門岩」も、普通に正面登山道を登ったのでは、見ることができないので、そのことにもふれたかった。さらには、「大南窟」にいたっては、記事の中ではまったく所在がわからないが、写真の「巨大な磐座」は、是非とも見てみたい。いったいどの辺りにあるのか。
今日の宝満山は、この二つの目的を持って登った。
正面登山道を、八合目まで登ると、八合目の表示がしてあるところから、道が二手に分かれている。右が普通の正面登山道で、ほとんどの登山者はこちらのほうを登る。記事にあった「竈門岩」は、左の石段を登らなくてはいけない。
石段を登ると、正面に大岩が立ちふさがる。といってもたいした高さはなく、せいぜい2~3メートルくらいであろうか。岩の真ん中に切れ目があり、ロープが垂らしてあるので、つかまりながらよじ登るのだが、足場が微妙だし、ザックが邪魔をして登りにくい。非力な女性などは登れないのではなかろうかと心配されるが、なあに、わざわざここを登らなくても左手に巻き道があるので大丈夫だ。最初に来たときに確認はしていたが、今日は、きちんとよじ登りました。
登りきって少し奥の方に進むと、正面に亀が立ち上がったような大岩がそびえ、右手に仙涯和尚の筆になる言われている「仙竈」との文字が刻まれた竈岩がある。
さらに奥に下ると正面登山道に合流し、宝満山の山頂はすぐそこだ。
山頂やキャンプ場には、大会社の新入社員研修とかで大勢が登ってきていた(会社は、九電工だそうで、200人を越える採用だそうでした。景気のいいところはいいのですね。)ので、混雑を避けてキャンプ場から女道を少し下ったところで昼食。
昼食を終え大南窟を目指そうとしていたときに、大ベテランと思しき先達(何故かそうと見えた。)が、通り過ぎようとされたので、「大南窟」の場所を聞いたところ、やはり知っておられた。すらすらと教えていただいたうえ、このすぐ下に「法城窟」があり、こちらも是非見てくださいとのこと。
この「法城窟」は、「宝満山の子宮」と言われていますよ、その上には、「宝満山のペニス」が立っているでしょう、と丁寧に解説もしていただいた。なるほど、窟の真上を見上げると、宝満山山頂の大岩がそそり立っており、いたく感動した。
「法城窟」は、キャンプ場から女道をほんの少し下り、大石への分岐をやり過ごしたところに、右に道がある。古ぼけた標識が立っているが、わかりにくい。踏み跡をたどると、正面右に大杉が入り口を塞ぐようにもたれ掛かっている。窟の中は真っ暗でランプがないと入りにくい。ランプは常時携行しているので、取り出して中に入る。中は、岩場の登りとなっており、奥行き10mほどであろうか。きちんと立ったまま行動できる広さがある。中には首のとれた石仏などが安置されており、ちょっと不気味だ。
女道に引き返してまた少し下るとすぐに、左手に水場があり、それを見ながら女道をさらに3m下れば、左に大谷尾根道への道が分かれる。左折して少し下れば、大谷尾根道への案内があるのでそこを右折する。また少し下れば、右にかもしか新道の案内がある。丸太を斜めに切った跡には、「かもしか新道分かれ」と書かれているので間違いなくそこを右に。
しばらく下ると、かもしか新道とかもしか旧道の分岐に出る。右の急登が新道で、直進して下るのが旧道だ。旧道へ5分程下ったところにそれらしい踏み跡があったが、確信がもてない。「大南窟」へは新道、旧道どちらから行ったがいいのかさえもよくわからないので、もう一度さっきの新道への分岐点まで引き返し、ひとまず右へ新道のほうを登る。
新道は、けっこう急な岩場登りで、登りきって下ってしまったところが、旧道との合流地点になる。ここまであたりを注意していたが、どうやら「大南窟」への入り口はないようだ。
合流地点から今度はかもしか旧道を大谷尾根道へ登り返す。途中、大谷尾根とかもしか新道への分岐点があり、案内は大谷尾根だけが表示してあるが、そこを左折するとかもしか新道への分岐に行く。5分ほど登ったところに、左に、「ほっつき歩記山記録」というホームページで「大南窟」のことが写真で案内してあったとおりの岩とその前の杉が目に入った。表示など何もないが、杉と岩の間に踏み跡があり、先ほど新道旧道の分岐から下ってきて見当を付けていたところだったので、もうここしかないなと今度は確信して左へ踏み跡をたどる。
わりと急な登りではあるが踏み跡は比較的はっきりしており、山慣れた人ならば迷うことはないだろう。10分ほどで、正面に大岩を見上げる。
踏み跡のとおり岩の右側を登り詰めると、ありました。あの「岳人」に掲載されていた写真どおりの巨大な盤座が。まるで「インディ・ジョーンズ」の世界に出てくるような、古代の遺跡みたいな大岩が左に聳えている。やはりこれは見ておかないといけないな。なんとなく荘厳な気分になります。
先に2~3m下った左手が「大南窟」の入り口で、大岩の下にあたるだろう。窟の広さは、「法城窟」の三分の一くらいで、奥は、真っ暗であるがランプを照らすと、岩場がせり上がっており、天井にはこうもりが数匹ぶら下がっていた。
本日の目的を達したので、あとは気分よくかもしか旧道を下り、鳥追峠から林道を下り、竈神社の満開の桜を楽しんで、帰路に着いた。
(10:20)竈神社有料駐車場(400円)、 (11:30)正面登山道八合目、 (11:37)竈門岩頂上、
(11:45)宝満山山頂、 (11:52-12:17)キャンプ場下で昼食、 (12:23-28)法城窟、
(12:33)大谷尾根への分岐、 (13:36)かもしか新道旧道合流地点(下)、
(13:50)大谷尾根とかもしか新道への分岐、 (13:55)大南窟への分岐、 (14:04-19)大南窟、 (14:24)大南窟への分岐、 (14:37)かもしか新道旧道合流地点(下)、
(14:41)鳥追峠、(15:10)竈神社有料駐車場着
2008年4月3日木曜日
葉桜の季節に君を想うということ
葉桜の季節に君を想うということ(歌野 晶午 著)文春文庫
ちょっと変わった書名であるが、2004年版「このミステリーがすごい」の1位になった作品なので、すぐに本屋で手にとってみた。 冒頭の部分がとても面白そうだったから(どう面白いかは読んでみてください)購入しようかなと思ったが、出た当初は単行本で、ちょっと高かったから見送っていた。
昨年5月、文庫化されたので購入したのだが、今になってやっと読んだ。
感想、「いやーなんとも巧く騙されたなー。参った参った。」ということです。類似のトリックはあることはあるのだが、そのことに全く思いがいたらないまま終盤まで読んでしまって、うーんやられたなという面白い展開で、さすがは1位にランクされた本格ミステリーである。
本格好きの方には、超お薦め。
なお、この作品は、この年の週刊文春の「ミステリー・ベスト10」では、2位にランクされている。
ちょっと変わった書名であるが、2004年版「このミステリーがすごい」の1位になった作品なので、すぐに本屋で手にとってみた。 冒頭の部分がとても面白そうだったから(どう面白いかは読んでみてください)購入しようかなと思ったが、出た当初は単行本で、ちょっと高かったから見送っていた。
昨年5月、文庫化されたので購入したのだが、今になってやっと読んだ。
感想、「いやーなんとも巧く騙されたなー。参った参った。」ということです。類似のトリックはあることはあるのだが、そのことに全く思いがいたらないまま終盤まで読んでしまって、うーんやられたなという面白い展開で、さすがは1位にランクされた本格ミステリーである。
本格好きの方には、超お薦め。
なお、この作品は、この年の週刊文春の「ミステリー・ベスト10」では、2位にランクされている。
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