2008年9月19日金曜日

夜のフロスト


 夜のフロスト(R・D・ウィングフィールド著 芹沢恵訳)創元推理文庫 

 この「夜のフロスト」は、シリーズの3作目である。4作目が先月出たので読もうとしたら、この3作目を読んでいなかったので、まずこちらから。

 フロストは、イギリスの警察の警部で今までにない個性的な警察官である。だらしない格好だが昼夜休む暇なく捜査に精を出すタフネスだ。

 ルール破りの活動で上司の受けははなはだ悪いが、同僚からの信頼は厚い。超下品なショークで顰蹙をかいながら、勘を頼りに難事件を解決する。

 複数の事件が交錯する「モジュラー型」と言われている展開で、長編で少し判りにくくなるが、退屈はしない。

 流感で休暇が多く手薄のデントン署に、少女の自殺や、連続老女殺害事件どあいついで事件が起こる。タフネスフロストは全く休む暇がない。新人部下を引き連れて、下品なジョークを乱発しながら、例によって勘を頼りの迷捜査で解決に導く。笑い満載だが、イギリスのミステリーだけあって、本格物の香りもある警察小説の秀作で、2001年の「文春」の1位、「このミス」の2位にランクされている。

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