荊の城(上、下)(サラ・ウォーターズ)創元推理文庫
先月、この人の「半身」を読んだけれど、その翌年2004年に出されたのがこれ。「半身」は、ゴシックミステリーとかいわれたが、これもその系統だが、時代はちょっと現代に近づく。
「半身」はとても読みにくくて、あまり好きなミステリーではなかったが、こちらのほうはより読みやすくなっている。やたら細部にこだわるところはあるが、それはそれであっさり読み飛ばす。
ミステリーとしてのできは、こちらのほうが格段といいと思います。なかなか巧妙に仕組まれていて、テンポも割と速いし、登場人物もまあ下々の者が多くてわかりやすいし、よくできたミステリーです。
ひとつだけ、気に食わないのは、前作に続きまたしても女性同士のあの話だ。なんでも作者がそうだというから手に負えない。生理的に受け入れられない部分です。
この小説も、2004年度の「このミステリーがすごい!」の第1位、週刊文春の「ミステリーベスト10」の第2位(第1位は「ダヴィンチ・コード」)にランクされている人気の高いミステリーです。
なお、この小説は、ディケンズへのこだわりをもって書かれているということであるが、ディケンズを読んだことのない私には、猫に小判だな。すみません。
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